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子どものSNS利用
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海外のSNS利用規制
警察庁のまとめでは、SNSをきっかけに犯罪被害にあった小学生は、昨年全国で167人と過去最多となりました。また、SNS利用による弊害として危惧されるのが学力の低下です。経済協力開発機構(OECD)が世界91か国・地域の15歳を対象に実施した「国際学習到達度調査(PISA)」での世界的な成績低下傾向が指摘されています。
各国の青少年のSNS利用規制は、利用そのものを禁じるもの(オーストラリア、スペインなど)、年齢確認を前提に保護者同意や機能制限をするもの(米国の一部州など)、法律による規制ではなくプラットフォーマーの自主規制と情報モラル教育によるもの(日本、韓国など)と様々な方法が採られています。
オーストラリアでは、2025年12月に「ソーシャルメディア最低年齢法」が施行されました。利用年齢を16歳未満と引き上げ、すり抜けが容易だった年齢確認の厳格化。信頼性の高い年齢確認方法をソーシャルメディア大手事業者に求めます。また、26年7月にフランスも15歳未満の青少年を対象としSNS利用禁止の法律を制定しました。
26年9月、EU(欧州連合)も利用規制を盛り込んだ法案を提案しました。EU独自の年齢確認アプリの義務付け。0~2歳完全禁止。3~12歳未満はSNS利用禁止、ただし、親が完全に管理した子ども向けの動画サービスは1日1時間まで。13~14歳は親の管理下で第三者とのやりとりを制限して利用可で1日1時間まで。さらに、企業には中毒性のあるサービスを禁じ、違反した場合には罰金を科すとしています。 26年8月に、米国でメタ・プラットフォームズを相手取った訴訟が和解となり、10代のSNSの利用時間の制限などの措置が初期設定として設けられることになりました。メタのような大手企業による利用制限が国際標準となるのか注目されています。
日本では、青少年インターネット環境整備法が制定されていますが、実際にSNS環境を青少年や保護者がコントロールすることは難しいものです。やはり大手事業者による国際的な取り組みがなされることが求められます。しかし、事業者に責任を負わせるだけの対策だけで問題は解決できないようです。
利用規制については、表現の自由や通信の自由との整合性を検討する必要も指摘されています。現在最も規制が進んでいるオーストラリアの規制強化について次のような懸念も示されています。「全面禁止は子どもの表現の自由や社会参加の機会を強く制限するリスクがある」とオーストラリア人権委会では批判しています。
青少年のSNS利用規制に向けた取り組みが各国で進んできています。日本でも、青少年には、デジタル社会のなかでどのような情報環境が求められるのかという議論が深まっていく必要がありそうです。その前提には、有害な情報や犯罪に巻き込まれない健全な環境でなければならないのはもちろん。子どもたちの「心の健康」も踏まえた情報環境となるような情報サービスであることが必須だと思います。
国際競争力の強化に向けデジタル化は必然とはいえ、少し前のめりになっている印象もあります。青少年のSNS利用では、一定の制限をつけて「遠ざける」という方策も十分に検証し青少年の育ちを阻害しないものであることが必要です。
うむっさん


