新年あけましておめでとうございます
当NPO法人は平成15年6月に認証を受け活動を続けて19年目に入りました。
昨年には1年延期されていた2020年東京オリンピックも無観客状態で実施をされ、当初心配されていた選手や観客へのコロナウイルス感染拡大防止も図られ、無事にオリンピックを終了させる事が出来ました。
2年に渡り世界中で新型コロナウイルス感染がいまだ終息せず、昨年11月以降からより感染力が強いオミクロン株が南アフリカで発症が確認されて、それが瞬く間に世界中で再拡大を続けています。従来型のデルタ株に対するワクチン摂取率も先進国を中心に60%~70%程度まで接種が進み、欧州や米国に於いても従来の厳しい感染抑止措置も緩和され、経済活動の再開を優先した対応がとられるようになり、最近は人々の日常生活もようやく元に戻り始めたところに、前述のオミクロン株の感染拡大が広がり、またしても厳しい感染予防措置が取られようとしています。
我が国においては、当初は欧米に比べてワクチン接種体制の遅れから国内感染が拡大しましたが、その後国民に対するワクチン摂取も高齢者から小学生に至るまで、2回目のワクチン接種率も上がり、昨年8月をピークに減少傾向が続いております。最近では全国でも、また首都圏でも1日の感染者数が逆に欧米に比べてかなり低くなっています。なぜ日本だけが感染率が低いのか、専門家の間でも原因が特定されておりませんが、最近の研究では日本人の6割が持つ白血球の型、新型コロナの重症者などが少ない要因「ファクターX」の一つである可能性があるとの研究成果を英科学誌に掲載されました。
新しく昨年には岸田内閣となって以降、新しいオミクロン株の国内感染拡大を水際で食い止めるため、厳しい海外からの外国人の入国制限を取っています。
また、ワクチン接種を2回終えた国民に対して、オミクロン株対策として3回目の接種を従来、接種終了後8ヶ月後を1~2ヶ月程前倒しする政府方針も打ち出されています。これにより諸外国に比べて低い新型コロナウイルス感染者数を、オミクロン株に対しても有効な感染防止対策を執って国内の経済活動を早く通常の状態に戻すことを目指しています。
さて、当NPO法人では令和3年度事業として主にロボット工作教室関連事業を中心に、小学4年生以上成人までの受講者を対象に、各種ロボット製作やプログラムの学習体験を行いました。ロボット工作の入門コースである「ロボット工作教室」は、やはりコロナ感染の影響から受講者も4名と低調でしたが、今までロボット工作を継続して受講されてきた「ロボット工作研究グループ」受講者の方は9名に至り、両方を合わせると13名の方が、基本的には土曜日と日曜日で毎週定期的に開催をしてきました。 「ロボット工作教室」ではサーボモーター仕様の四角い台車にAruduino Nanoマイコンを搭載した3輪ロボットを製作しました。 また、「ロボット工作研究グループ講座」では、micro:bitマイコンを使ったロボットアームの製作やメカナムホイールロボットの製作も行いました。更に9月には「Scratch講座」も実施しています。本年最後の12月までに、ミニ3輪ロボットの製作組立とプログラム製作の学習体験と併せ、最終回には迷路探査コースで、受講者が組立てプログラム作成したロボットで、コースを最短時間で走らせる競技を行いました。当初はサンプルモデルとして講師が作成されたプログラムでコースを走らせるとスタートから元の場所に戻るまでの時間は40秒近くかかりましたが、一番早くコースを完走した受講者は16秒を切る成果を出されました。
また、昨年6月には西部小学校の6年生の3クラス90名程を対象とした実物の3輪ロボットを使ったプログラム学習体験講座を開催ました。同じく8月の夏休み期間中に西部小学校の「わくわくクラブ」が主催する「Scratch講座」も開催いたしました。 更に、8月には市の中央公民館から委託を受けた、市内の小学生を対象とした「夏季プログラム学習講座・ミニ3輪ロボット組立及びプログラム作成」を実施いたしました。
昨年の新型コロナウイルス感染拡大により企業や学校などで対面による感染拡大を防ぐため、テレワークやオンライン学習の環境も整備され、昨年も市内小中学校に於いても1人1台のPC環境でICT環境も整備され、授業に於いてもPCを活用した各教科に於いて利用が進められるようになってきました。しかし、現実問題として授業を指導される学校の先生方にもICT教育指導には巧緻があり、先生方にとっては本来の授業以外に関連する事務作業や課外活動にも多くの時間を取られて、生徒を指導する時間の余裕がないのではないかと思われます。
21世紀の社会で今後必要とされる、IT技術やAI技術の習得や実務への適用など、人材の育成には国や自治体、企業などが積極的に導入を図るための人材育成に努めなければ、他国との経済競争に生き残っていけないリスクも生じます。 そのためにも、これらの分野で民間の力を活用し、地元で実務経験のあるボランティアの方々の協力を得て、出来るところから小中学校のICT教育に民間の力を取り入れていく制度の改革も必要ではないかと思われます。
令和3年度の活動で取り組んできた、小学生や成人の方を対象とした「ロボット工作関連事業」では、始めてロボットの組立製作やプログラムの作成体験をされ、実際に自分で製作したロボットが、コースの上を正常に走ったり、また自作したリモコンでロボットを動かす体験をすることによって、特に小学4年生の女子生徒や5年生から6年生の男子生徒たちも目を輝かせてロボットの動きを追っている姿は、ロボット工作を指導する当NPO法人メンバーも受講者に対する教え甲斐を感じます。
現時点では模型のロボットの製作体験ですが、いずれ社会では人口減少と生産性の向上の必要から人間の活動を補完するロボットによる作業分担も、社会で幅広く導入され、こうした分野の人材確保も広く求められます。幼年期のこうしたロボット工作体験を通じて、物を作る楽しみや興味を持って、理工科系の分野に進む手助けになれば、我々の活動も社会貢献に少しでも寄与出来ているのではないかと思います。
当NPO法人も来年度には設立20周年を迎えますが、設立当初の事業形態から大きく変貌致してきておりますが、時代の要望に合わせたNPO活動を今後も引き続き進めて行きたいと思います。 この1年が皆様にとって輝かしい年となる事を願っております。 本年もどうぞ宜しく当NPO法人活動にご支援ご協力の程宜しくお願い致します。
令和四年元旦
特定非営利活動法人 かまがや地域情報の窓 理事長 川俣 蓁