令和3年8月8日(日)中央公民館の主催で、”中央公民館デジタルワークショップ 「自分でプログラミングして ロボットを作ろう!!」”を開催した。 中央公民館のデジタルワークショップは、当NPO法人が以前より中央公民館施設を利用して一般市民や小中学生向けに「ロボット工作教室」を開催しいる実績から、今年度の中央公民館事業のデジタルワークショップ開催に協力を依頼され実現したものである。
今回使用したミニ3輪ロボットは、縦=65mm 横=55mm 高さ=45mmの非常にコンパクトなロボットである。試作品を作って中央公民館側とロボットの機能や仕様を打合せながら、ロボットの信頼性を高め、極力配線を少なくするため新しくプリント基板を設計して製作した。、プリント基板の配線は当NPO法人のメンバーで作業を分担した。2個の車輪と電池ケースが一体となった車体部分も事前に組立動作の確認済みの物を用意した。
ミニ3輪ロボット組み立てとプログラム作成講座
受講者は各自ノートパソコンを持参する事とした。当日の講座が終了した後でも持ち帰ったミニ3輪ロボットを自宅でプログラムを変更したりして新しい動きを体験をさせる目的でもある。講座の開催時間は午前・午後共に途中休憩時間を入れて3時間を予定した。
当日は、台風10号の影響で朝から風雨が強かったが、保護者同伴で小学4年生から6年生まで、午前中は生徒が9名で午後は8名の合計17名が参加をした。参加者の内女子生徒は5人であった。席に着くと早速各自のパソコンに、こちらで用意したArduinoIDEソフトをインストールした。その後、配布されたミニ3輪ロボットの部品(3点)を講師の指示に従って組み立ててもらった。簡単な作業ではあったが、各部の機能のを理解することにつながり、また自分で作ったロボットが動いた、という感動を体験してもらうためにも有効であった。
次に、配布をしたテキストに従って、まずArduBlock(積み木の様にプログラムのブロックを組み立てる)を使う為のArduinoIDEの設定を行った。設定が無事に終わると早速、LEDを点滅させる簡単なプログラムを作成し、ノートPCからUSBケーブルを経由してプログラムをロボットに転送して、動作を確認した。生徒たちは最初こそArduBlockの使い方が不慣れで少し時間がかかったが、すぐにプログラムを作る要領も覚えLEDの点滅実験にも成功した。早く作業が終わった生徒たちはプログラムの点滅の仕方を変えるため指定した数値を変更してその変化を確認していた。
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ミニ3輪ロボットの説明
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ロボット講座に参加した生徒
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ArduinoIDEの設定
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講師の説明を聞く生徒
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保護者の方も熱心に聞く
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プログラムの作成中
次は、ミニ3輪ロボットの左モーターや右モーターを別々に動かすプログラムを作成し、それぞれ机の上で実際にプログラム通りに車輪が動くことを確認した。そして、今度は左右のモーターを同時に動かし、前進や後退するプログラムを作成して、3輪ロボットを床に置いて動作を確認していた。しかし、実際には左右のDCモーターの特性の違いもあって、真っすぐに前進や後退をさせるためにはプログラムを微調整をする必要があることを講師やサポートの人たちから聞いて、各自自分のロボットのプログラム調整に取り掛かっていた。要領が分かった生徒たちは、今度は講師の説明でロボットが三角形や四角形、円を描くように走るプログラム作成に挑戦をしていた。
今度は、ロボットの下部に取り付けられたセンサーで、白と黒の線(ライン)を識別しその結果からロボットの進む方向を調整する仕組みについて説明があった。 手元に配布された「8の字コース」に沿ってロボットが走れるようにするプログラムを、テキストに従って作成していくが、やはりロボットの特性の違いから、コースに沿ってロボットを走らせるにはプログラムの微調整は避けられない。講師やサポートの人たちの手助けによりプログラムを調整しながら、自分のロボットを走らせ「8の字」コースの上を順調に進むと生徒たちから喜びの声が上がっていた。しかし、「8の字」コースのコースの交差点に差し掛かるとロボットが止まってしまうケースもあって、どうしたら上手く交差点を通過する事が出来るかについて講師から説明があり、それを聞いた生徒たちは自分のロボットのプログラムを調整して、無事に交差点を通過する事が出来るようになった。
次は、迷路を脱出するプログラムの作成である。手元に配布された「迷路コース」はA4の用紙に黒い線の迷路が画れている。ロボットは左側のセンサーだけを使って左手手法で、黒い線の左側に沿って進む。プログラムも少し複雑となり「もし、でなければ」の判定条件を含むプログラムを作成する。上手くプログラムを完成させるためにはセンサーの白と黒の判別する数値の調整が必要となるが、前述の様に各自のロボットの特性の違いによって若干プログラムによる数値の違いがあるので、実際にロボットを迷路コースの上を走らせながらプログラムを調整をしていた。
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プログラムの作成中
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テキストを参照して作成
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完成した「8の字」ロボット
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完成した「迷路」ロボット
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解らない所をサポート
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サポートを受けて作成
最後に「おまけ」のプログラムが提供された。このプログラムはArduino言語で書かれたもので、「8の字」、「迷路」、「細線トレース」の3つの機能を切り替えて使える。「細線トレース」では、生徒が手書きしたコースの上を、ロボットがたどることができるので、各自ユニークなコースを作成して楽しんでいた。
今回のデジタルワークショップは、3時間と生徒にとってはかなり長い講座であったが、途中で飽きる事もなく全員がロボットの実物を使ったプログラム作成体験を楽しんでいた。今回の講座にも意外と女子生徒の参加が多く、こうしたプログラム学習に対して興味を持っている生徒が増えている事が感じられた。講座終了後のアンケート集計でも、今回の講座が楽しかったと多くの感想が寄せられたのは、指導を担当した当NPO法人関係者にとっても大きな喜びである。
レポート:S.K