1月6日。アメリカの政治学者イアン・ブレマーが設立した、地政学リスクを専門に分析するユーラシア・グループが「10大リスク」をまとめた報告書を公表しました。
報告書では、最大のリスクとして「No1 深まるGゼロ世界の混迷」を挙げます。「グローバルな課題への対応を主導し、国際秩序を維持する意思・能力を持つ国家や国家の集まりが存在しない状態」で「世界的なリーダーシップの欠如は危機的なレベルまで深刻化」したと分析しています。
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トランプ大統領の宣誓式
トランプ大統領の、「何をするか分からないという性質そのものが経済政策の変動性と不確実性を高めていく」。長期的に、「米国の予測可能性と経済パフォーマンスを損なうリスク」となるとしています。こうした米中の対立は、日本にとっても大きな難題として突きつけられ、東アジアの安定に大きな影を落とします。
ウクライナでの停戦は、成立する可能性が高いがロシアが占領した領土は事実上支配したままになり、EU諸国への威嚇は長期にわたり対立は続くとしています。“ならず者国家”として国際秩序を破壊しているロシアは、「ならず者ぶり」を伸張させていきます。日本の固有の領土である北方4島でも、実効支配はいまだに続いています。不法占拠による軍事拠点化が進み、軍備はさらに拡大されています。
中東の不安定化は、エネルギー資源への依存度の高い日本のリスクとなります。「多くの要素が絡み合い、コントロールをする者がいない中、イランとの紛争は中東における最大のリスクとなっている。」と分析されています。>中東の不安定化は、エネルギー資源への依存度の高い日本のリスクとなります。「多くの要素が絡み合い、コントロールをする者がいない中、イランとの紛争は中東における最大のリスクとなっている。」と分析されています。
極端な左傾化も右傾化も私たちの安寧な暮らしに寄与すものではありません。そして、法に基づく民主的な社会を毀損する動向は誰しもが考える幸せな未来に対する大きなリスクになっていきます。所得の格差や不平等が拡大してきたことなどから、民主主義に対して根本的な不信感が生まれてしまいました。そうした状況にあって、何をすればいいのかが私たち自身に問われていきます。イアン・ブレマーは言います「私たちにできることは、政治的な分裂に対する理解を深め、分裂を克服するためにさらに努力することだけだ」と。
うむっさん