生成AIは、ディープラーニングによりAI(人工知能)が「学ぶ」機械学習。その利用について、欧州・米国・中国では「規制の導入」が広がっている。規制の主眼は、「人によって創作された文章や画像などの著作物に係る権利の保護」と「偽情報による社会的な混乱の防止」となるようだ。
広島G7サミットでも「生成AIの国際ルール」が議題になり、閣僚級の「広島AIプロセス」が創設されている。 生成AIのうちでも、対話型AIである「チャットGPT」の利用について、県内や近隣自治体でも導入を進める団体が増えてきた。
今年6月、千葉県が「ChatGPT 等の生成 AI の利用ガイドライン」を発表した。内部資料の作成等に限った試用として、業務上 ChatGPT などの生成 AIを利用する際に注意すべき事項を定めた。
データ入力に際しての注意事項では、(1)入力内容を学習内容に反映しない設定をした上で利用すること。(2)個人情報、機密情報、法令や契約等により非公開とされている情報をはじめ機密性2以上の情報を入力しないこと(当該情報の入力は禁止)。(3)県の業務だとわかるような聞き方をしないこと。が挙げられている。機密性2以上の情報とは、秘密文書に相当する機密性を要しないが直ちに一般公表することを前提としていない情報。
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サイトより画像引用
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また、利用に際しての注意事項としては、(1)利用は内部資料に限ることとし、外部向けの資料等には使わないこと。(2)得られた回答を鵜呑みにせず、根拠等をしっかり確認すること。(3)得られた回答をそのまま使用せず、権利侵害等となっていないかをしっかり確認すること。(4)資料作成等の際に生成 AI から得られた回答を利用した場合は、資料中に明記すること(例:【生成 AI 】により作成)となっている。
松戸市では、今年7月に「松戸市職員 ChatGPT(生成 AI)活用ガイドライン」が定められた。「チャットGPTのような新しい技術を積極的に利用していくことは、効率的に業務を遂行し、人的資産を軽減する上でも、大変重要で、市民サービスの向上や業務の効率化を強力に推進するための活用が進んでいくものと考えられる」としている。
チャットGPTが活用できる業務としては、(1)内部事務及び事務事業の企画立案等の工程における情報収集等。(2)行政サービスの案内等をする際の補助的手段。(3)住民等にわかりやすい文章作成の補助的手段。(4)文章の校正や、表を作成する際の補助的手段。(5)業務の進め方の助言としての活用。(6)Excel 関数等を作成する際の補助的手段。(7)その他、事務的作業の確認、助言、補助等。となっている。
生成AIの利活用は、行政事務の効率化によって生じる行政資源の配分をより市民生活に直結する行政施策へ反映させるということが目的であり、単に最新の情報技術の導入であってはならない。自治体DXの具体的な手法としての「生成AIの利活用」であり、その効果の検証を充分に行う事が求められる。また、職員には生成AIによる成果物への結果責任が伴う。生成AI導入による行政施策として「行政評価」が求められることは言うまでもない。
うむっさん