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PCを活用した授業風景
電通の子どものメディアレポートでは、1歳児の42%がタッチスクリーンでスワイプ・ピンチイン・ピンアウトを行い。32%は動画のサムネール画像にタッチして別の動画へ飛ぶといった操作を体得していると報告されている。 IoTが普及した環境に育ったZ世代(1995年以降に生まれた世代)といわれるデジタルネイティブ。さらには、IoTが当たり前の環境になったポスト・デジタルネイティブ(2016年前後生まれ)と呼ばれるα世代が、担い、創造する未来はどんな世界だろう。『未来を予測する最善の方法は、それを創造すること』(ピーター・ドラッカー)という至言もある。デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できるデジタル社会とはどんな姿になるのだろう。
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生徒1人1台使用環境
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PC活用をした授業
デジタルネイティブ世代は、ICT利用にこれまでとは異なる傾向がみられるという。社会との関係性についても、デジタル機器を活用することがごく自然になる。また、デジタル機器の使い過ぎを自覚していることやSNSでの個人情報の流出リスクについても理解し危機管理意識も高い。デジタルネイティブ世代は承認欲求が強いといわれるが、上下関係や仲間はずれを作らずにみんなで仲良くしたいという志向も強いという。 ただ、インターネットが持つメリットが十分に活用されていないのでは?という気になるデータもある。青少年のインターネット利用環境実態調査(内閣府)では、高校生になると98.9%がインターネットを利用している。利用内容では、「動画」85.7%、「ゲーム 」79.9%。次に「メールなど」が72.0%、「音楽」66.9%、そして、「情報検索」 61.4%、「勉強・学習」 51.5%となっている。
学校教育情報化推進専門家会議(文部科学省)の問題意識でも、学校の授業(国語、数学、理科)におけるデジタル機器の利用時間が短くOECD加盟国中最下位であり、コンピュータを使って宿題をする頻度もOECD加盟国中最下位。また、デジタル機器の利用状況がチャットやゲームに偏っている傾向があること。「ネット上でチャットをする」「1人用ゲームで遊ぶ」頻度はOECD加盟国中1位となっている。
α世代でのICT利用は旧世代では想像もできない進化をしていく。それを支えるデジタル人材育成が最優先される施策になる。教師のデジタル資質の向上や専門員配置といった学校任せではない社会的な体制づくりによって、デジタル人材のグローバル化を進めていくことが必要だ。人の革新までもが問題意識となる未来をきり拓いていくα世代には、好奇心と探究心を育み『創造の翼』を広げていけるような学びへの支援が求められるだろう。
うむっさん