かまがや地域情報の窓

　９月に、ユニセフ（世界児童基金）の政策研究を行っているイノチェンティ研究所が毎年発表している「レポートカード（意味としては「通信簿」）が報告された。先進国の子どもたちには、自殺、不満、肥満、低い社会的スキルや学力といったことが共通してみられるということだ。

　日本の子どもたちでは、１５歳の「生活満足度」が調査対象３３か国のうち最下位から２番目の３２位。「生活に満足」と答えたのは６２％。また、「１５～１９歳の自殺死亡率（１０万人当たりの自殺者数）」は、２０１３～１５年の４１か国の調査で、日本は７．５で３０位となっている。分析では、日本の子どもの自殺率が高いのは、「自分の存在を必要とする家族を含めた他者の存在に対する創造力」、「生きて実現させたい夢とか欲望」の欠如が示されているとコメントされている。

子供の生活満足度（広島県こども家庭センターイラスト引用）

　令和元年度自殺対策白書では、「自殺死亡率」で、平成３０年（2018）全体で１６．５。男性で２３．２、女性で１０．１となっている。実数では、全体で２万８４０人。男性、１万４２９０人。女性、６，５５０人となっている。統計としては低下傾向にあるが、若い世代の自殺は深刻な状況になっている。１０～３９歳の各年代の死因の１位は自殺だ。最近の報道によれば、今年7月以降、４か月連続で増加しており、特に女性の自殺者数は大幅に増加している。生きづらさや虚無感から、絶望のなかで自らの命を断ってしまうのだろう。が、なぜ・・・。

日本の自殺率（チャリツモＨＰのイラストを引用)

　　新しい内閣は、目指す社会像を『「自助・共助・公助」そして「絆」』とした。「自助」が協調されることに危惧をおぼえる。不安定な雇用・格差の拡大などによる社会不安のなかで、「公助・共助」がしっかりと行われてこその「自助」。自助がまず在りきではない「公助・共助」であって欲しい。　第９代米沢藩主・上杉鷹山は「三助の実践（自助、互助、扶助）」で藩財政の改革を実践した。特産品の開発・田畑の開発を始めとした「扶助」の施策が進められ領民の生活安定が図られた。新しい内閣にも「公助（＝扶助）」による施策を進めて欲しい。　いまは、明るい見通しを示すことが難しい混沌とした状態。不安の種は尽きないけれど、自分を幸福にすることが生きている意味。という確信を胸に、苦しい今を乗り越えていくことが大切だろう。

うむっさん