かまがや地域情報の窓

　『トイレットペーパーが無くなる！』と言う情報に接した人たちは買いだめに走った。結果、店頭からトイレットペーパーが無くなった。日本だけでなく、アメリカ、イギリスやオーストラリアなどでも商品棚は空になった。行列の順番をめぐっての暴力や奪い合いから乱闘までが起きている。しかし、「無くなる」というは根拠のない虚言。この情報によって、人々はパニックに陥り社会的な不安は増大していった。

　こうしたパニックは、１９７３年（昭和４８年）オイルショックによって「トイレットペーパー騒動」が起こっている。空になった棚や行列を見ると「自分も動かないと入手できなくなる」と考える。そして、「バンドワゴン効果（大勢順応行動）」によって「みんながやってること」と騒乱のなか巻き込まれていく。

新型コロナウイルス感染症「COVID－19（Coronavirus Disease2019）:コービット19」にまつわる流言飛語は、悪意はむろん善意によっても拡散され、安心・安全への不安を反映し瞬く間に広がる。さらには、感染者や医療従事者・外国人への差別だけでなく風評被害も頻発している。そうした状況にも関わらず、政治リーダーが特定の国や地域名を付けた「〇〇ウイルス」と呼称し差別感情を煽っているかの報道もある。

ＷＨＯ（世界保健機関）によれば、欧州がパンデミックの中心になっているが、イタリア・ミラノのヴォルタ高校の校長先生が学校閉鎖中の生徒に送った手紙の一節には、現下の情勢に立ち向かう姿勢がこう述べられている。

　「・・・見えない敵に脅かされた時、人はその敵があちこちに潜んでいるかのように感じてしまい、自分と同じような人々も脅威だと、潜在的な敵だと思い込んでしまう、それこそが危険なのです。」

うむっさん