平成27年度活動の一環として、当NPO法人で4年前から子ども向けの「子どもロボット工作教室」を開催しているが、今回は鎌ケ谷市内の市立小学校9校の内、8校(鎌ケ谷小学校・北部小学校・南部小学校・西部小学校・中部小学校・初富小学校・道野辺小学校・五本松小学校)の放課後児童クラブでこの施設を利用している小学生1年から6年生を対象とした、ロボットつくりもお楽しさを知ってもらうために、自作のロボット3種類を持ち込んで、ロボットの説明とデモンストレーションを行った。 持ち込んだロボットは、8の字コースや迷路コースを自走するロボットや、赤外線リモコンでキャタピラ型ロボットを操縦して、小学生生徒の前を自在に走る様子を見て、子どもたちがオーという驚きの声をあげる。
子どもたちには、ロボットと言う言葉は見聞きしているようだが、実際に自分たちの目の前でロボットが命令に従って、動くさまは彼らにとっても、新しい発見・喜びにつながり、次にはどうしてこのロボットが動くのだろうかと興味を持って、その動く理屈を知りたがるようになる。 各放課後児童クラブの会場では、ロボットの説明やデモンストレーションを行っても、学年によってそれぞれ受け止め方が違ってくる。小学校1年生の子どもたちはロボットが自動的にコースの上を走る様を見て感嘆の声を上げ、自分も触ってみたいと言う。2年生以上となるとロボットはどうして動くのとその理屈を知りたくなって、いろいろとデモンストレーションの後に質問を投げかけてくる。
当NPO法人では「子どもロボット工作教室」に参加できる資格を、一応小学4年生以上としているので、2年生や3年生の子どもたちがロボットを作ってみたいと言われても、4年生になるまでもう少し待っていてねと言うしかない。それでも8校の放課後児童クラブの子どもたちに、延べ240名程度の説明とデモンストレーションを実施する事ができたので、来年以降に、市報で新しく「子どもロボット工作教室」への参加者募集記事を見て、子どもたちや保護者の方が参加申込みをしてくだされば嬉しい限りである。
一般的に、最近の子どもたちは理科離れが進み、将来の日本の技術力低下に政府も行政も危機感を抱いている。従来は日本のロボット技術といえば生産現場における組み立てや製品検査などに数多く利用されていた。しかし、近年高齢者の増加に伴い、介護や医療現場等においても色々な形に変化したロボットを積極的に活用していこうとする傾向が見られる。 21世紀も半ばに差し掛かる2030年ごろには、恐らく国内においても幅広くロボットが日常生活の中で活用されていることだろう。こうした将来のロボット需要に応えるためにも、ロボット工学の知識を有した数多くの技術者が必要とされることは目に見えている。そのためには幼いころからロボットに対して少しでも興味を持つ子どもたちを育て、将来はこうしたロボット製造やロボット技術を応用した各種サービスに従事する技術者を増やすための種まきと考え、当NPO法人は4年前から、子ども向けのロボット工作教室を開催しているが、その副次効果として大人の人(高齢者や中高年者)も、子どもと一緒にロボット作りに取り組んでいる姿を見るのは楽しい。 つい最近にも、テレビ局で、子どものコンピュータープログラミングを教える講座に人気が集中しているとの報道もあったが、子ども1人参加する費用は何と4万円もするというではないか!この講座ではコンピューターのゲーム開発を体験するそうだが、高額な参加費を負担してでも子どもに何か特技を小さい内から付けさせておきたいと言う親心からかもしれないが、参加できる子供は少数の豊かな家庭でしかない。 最後に、今回の放課後児童クラブを回ってわかった事は、小学校の授業が大体2時~3時頃に終わっても、生徒たちは両親が日中は二人とも働いているために、家庭には戻れず保護者が迎えにまたは保護者が指定した時間まで、この放課後児童クラブで、他の皆と一緒に過ごさなければならない事実である。市内でもこうした放課後児童クラブで小学生を預かる人数は地域差はあっても大よそ各クラブ毎で20名~60名近くとなる。実際にこの放課後児童クラブで子供たちの世話をなさっている方たちは保育の資格を持たれた先生方やボランティアの方たちが中心で、特に小さい小学生相手にするときには事故を防ぐためにも気が少しも抜けない。 小学生にロボットの説明・デモを通じて、元気な子供たちの好奇心と圧倒的なパワーに驚かされる。日ごろこの様な多数の子供たちに接する機会がなかったので、今回の説明会参加は大変有意義な体験となった。 レポート:S・K |