子どもロボット工作教室アドバンスコース



 ロボット平成25年度の「子どもロボット工作教室」を開催しました。
本年度は二つのロボット工作教室を開催し、一つは「入門編」となる初めてロボット工作を始める子供たちを対象とした教室で、前年度実施した「8の字」形のループ軌道をロボットが走る工作です。また、二つ目は前回参加して「入門編」を終了した子ども達を対象とした「アドバンスコース」を用意して参加をしていただきました。
 今回の「子どもロボット工作教室」に参加した子ども達は、「入門編」「アドバンス編」ともに4名でした。

 子どもロボット工作教室「入門編」は7月20日から9月29日までの全6回で、8の字形の軌道をセンサーがとらえてコースを外れない様に走る、自走式のロボットを完成させました。
 今回は4名の内、2組が親子で参加、残り1名は小学生の男子でした。今回は講師の方も2回目の開催となりましたので、教材も前回の反省も含めてよりわかり易い内容として、資料も充実させました。
 前回も同じような状況でしたが、最初の講義(ロボットの説明や、使用する部品、簡単なプログラムの説明など)については、余り興味を示さず、実際に自走ロボットの組み立てる段階になって俄然子ども達は興味を示し、熱心に組み立てを始めた事でした。
 何といっても、教える側で楽しい事は、受講者の子ども達が嬉々としてロボットを組み立て、それが動く様子を見て本当に飛び上がらんばかりに喜ぶ様は感動ものです!

「入門編」コースで挨拶する理事長 新しく参加した生徒に説明する冨澤講師 初心者向けArduino組み立てキット
親子でマイコンボードを使ってLEDの点灯 親子でArduino基盤の実験 PCとAruduino基盤を接続

  本年度初めて、前回の「入門編」を受けて自走ロボットを組み立てた子ども達が、今度は模造紙の上に書いた迷路を入口から出口に向けて、迷路探査しながら自走する「迷路探査ロボット」に挑戦して頂きました。
 
 このアドバンスコースの受講者は4名で(小学生1名、中学生2名、64歳の女性の方1名)、講師は冨澤さんが担当されました。
このアドバンスコース開講に当たり、説明会とデモンストレーションを事前に行い、参加を希望される子どもと保護者の方に参加して頂いて、実際の工作教室の内容を確認していただいて、参加を決められた方に受講していただきました。

12月4日最終回の講座 プログラムの仕組みを説明する松岡講師 軌道を認識するプログラムの仕組み
昼食をとる子ども達 昼食の合間にセンサー機能の説明も 松岡講師の下には迷路探査用のチャートも

  「アドバンス編」の講座は、8月18日に説明会とデモンストレーション及び申込受付を行い、8月31日第1回目の教室を開催しました。12月7日まで全5回開催いたしました。
 今回の迷路探査ロボットは、前回の自走ロボットに比べてより動作が複雑となるため、プログラムや機構組み立てで特にセンサー部分の取り付けには、前回の取り付け事例を改善して、安定した信号の取り出しが出来る様に、取り付け方法も改善しました。第5回目の最終段階では、松岡さんが講師となって、迷路探査ロボットがどのような仕組みで動くのかを説明して、効率的にロボットを動かすためのプログラムの値(白と黒のしきい値)をどの数字に設定たら良いのか等も指導しました。第4回目までの段階では、何とか受講者全員がメカの組み立て、ブレッドボードへの配線、テスト用プログラムを入れて、はたして探査ロボットが動くのか迄確認終えるところで終了しました。最終回はこの探査ロボットが迷路を書いた軌道上を正しく走行してくれないと完成とは言えません。
 

アドバンスコースの迷路探査ロボット
(マウスクリックで動画再生)


 午前10時から初めて、お昼の時間に掛かりましたので全員で、サンドウイッチ等の昼食をとりながら、その時間を使って今回のロボットに使ったセンサーや、その他各種のロボット組み立て部品の説明と使い方を説明されました。
 最終回の当日は当初4時間を予定していましたが、全員が完成させるまでには更に2時間ほど必要なため、時間を延長してプログラム通り動作が完了するまで、各自にアシスタントがついて組み立て調整やプログラム修正などを指導しました。

 最終段階でわかった事は、前回何とか動いていても、いざ正規のプログラムをインストールして動作をさせると、思わぬ方向に迷路探査ロボットが動いてしまったり、まったく動かなくなったり、同じところでグルグル回ったりと、個々の生徒さんのロボット組立状態(プログラムを含む)により症状は異なります。それらを一つ一つ問題解決しながら正常な動作が出来るまで、冨澤さんや松岡さんが指導をしていただきました。

 このロボットのトラブル解決で意外や一番早かったのは64歳の女性の方でした。その後小学生5年生の男子生徒、続いて中学生の2人の生徒さんと、夕方にはすべて迷路探査ロボットが出来上がり、テストコース上を何台も動き回るのを見るのは主催者側として、本当にうれしい限りです。
 最後は、正しい動作が確認できたので、ブレッドボード上の仮配線を、プリント基板上に移し替える作業が残りましたが、そこまで完成するには時間が足りず、次回必要な人には個別指導する事としました。一部プリント基板の配線に取りかかった方もおられましたが、時間が足りず途中で終わりました。

迷路探査ロボットの動きを見る受講者 これから作る迷路探査ロボット 縦型の迷路探査ロボットも参加
アドバンスコースで説明を行う冨澤講師 Arduino統合開発環境(IDE)画面を見る受講生 プログラムを見る受講生

 ロボット2本年度は「入門編」参加者4名、「アドバンス編」4名の参加者で開催いたしましたが、平成26年度はさらにロボット工作に興味を持つ子供たちのすそ野を広げるために、「入門編」を開催する予定です。また既に「入門編」を終えた子ども達には「アドバンス編」を実施したいと考えています。
今回「アドバンス編」を終えた子ども達には、今度は自分たちでどんなロボットを作りたいかを考えて、それを実現するためにはどんな事をすれば良いのかという、個別ニーズに応じた授業にしていこうと思いますが、講師やアシスタントの人数にも制約があるので、実施方法については更に検討を続けて行きたいと思います。

(レポート:S.K)