いとをかし



 今年の夏は常に増して暑い日が続きそうだ。鎌ケ谷の周辺では水不足による野菜への影響が心配されるなど連日の猛暑が続くようだ。

 なんとか、この暑さを乗り切らなければという、みなさんも多いのではないかと察せられるところだ。そこで、暑さを和らげる事はできないかもしれないけれど、風雅を感じられる「いとをかし」なものを思い浮かべてみたい。

 お盆にお墓参りをするために帰省する方も多いのでは。故郷の街では盆踊りが行われている。浴衣に袖を通し、打ち水のしてある小路を漫ろ歩き。手には扇子、いやいや団扇かな。夜風がフッと涼しさを運んでくる。ほたるがひとつふたつと飛んでいる。

イラスト 打ち水 sc.shinaz.com より引用

 早朝の清とした気配に朝顔が。ふと見上げれば、モクモクと真っ白で大きな入道雲が。逃げ水を追いかけるように蝉しぐれの中を進んでいけば、「嗚呼」と身の内から。

 涼を感じると言えば、氷を浮かべて冷たく冷やしたソーメン。冷やしラーメンもいいものだ。いや、やっぱりかき氷かな。水ようかん、葛まんじゅうも、キンキンに冷えたジョッキに注がれたビールに枝豆、冷やしトマト。そんな風情のなかで一時を過ごすのも「いとをかし」。心象風景によって少しは暑さをしのぐことができましたか。

 夏はよる。月の頃はさらなり…。と清少納言を読みつつ縁側でうたた寝を。

 私たちが忘れ得ない8月もある。8月6日広島、8月9日長崎と一瞬にして多くの命が失われ、いまだ、癒えない傷に苦しむ方々がおられる。祈りの日に誓う「過ちは繰り返しませぬから」と。そして、8月15日戦没者を追悼し平和を祈念する日。いまだに、世界では戦火の中で多くの命が粗末にされている・・・。 
       

うむっさん