地球の生命はどこから


 JAXA(宇宙航空研究開発機構)が運用する小惑星探査機「はやぶさ2」は、昨年12月3日に打ち上げられ、今月3日に地球の引力を利用して加速するスイングバイによって「小惑星リュウグウ」に向かう。
 リュウグウは、地球と火星の間の軌道を回る大きさ約900メートルの天体で、到着は2018年夏になる予定。秒速31.9キロというスピードで52億キロを航行する。

  探査の目的は、リュウグウからサンプルを持ち帰ること。リュウグウは太陽系が生まれた時代と場所の記憶を比較的よく残していると考えられている。その表面には、地球生命の源である有機物や水の分子が含まれているらしい。

 地球の海の水や生命を形づくる有機物は、太陽系が誕生した、おおよそ46億年以上前から星間ガスの中に存在していたと考えられている。

 地球生命の誕生には、液体の水が必要となる。地球が水で覆われるなかで、生命体に不可欠な化学物質「アミノ酸」から単細胞生物への飛躍は原始の海の深部で起きたようだ。

   
                              (写真引用:JAXAサイトよりhttp://www.jaxa.jp/projects/sat/hayabusa2/)

 そうした単細胞生物のなかから突然変異によって原核生物である「シアノバクテリア」が生まれた。その後、生物の進化が進み、原核生物どうしが融合しより複雑で高等な生物へと進化していった。

 『いくつかの条件が整えば、地球とまったく同じということはないにしても、似たような環境が生じ、地球とは少し違うかもしれないけれど生命の進化が起こりうる』と東京大学の阿部豊先生はその著書『生命の星の条件を探る』のなかで言っている。
 生命にあふれている地球。その命の起源を解き明かしていくための探査が進められていく。地球の生命はどこから?どうして?と探究心は広がっていく。   


 
うむっさん