ソチ五輪と都知事選を間近に

                              
                                                           
ライター千遥

 

 2014年も明けて、はや1か月が過ぎてしまった。時間というものは人それぞれに平等に与えられている筈なのに、そうは考えられない月日が経過していく。これは一体何故なんだろうか。自分勝手に解釈すると、「時間が足りない」のである。毎日の生活を自分なりに計画し、充実した日々と考え実行していると思うのだが、やるべき事柄がドンドン先延ばしになっている実態がある。本欄も、とうの昔にスケジュールに組み込んでおくのだが、これが毎回のように遅れる状態だ。
 まことに情けないが、一年ごとに年を加えて今年は77歳という節目の年を迎えている。やるべきと考えた事柄が実行できていないのは、この「加齢」のせいと決めつけることにする。戦後間もなくならば、50歳で立派な好々爺だったものが、現在70歳を超えても「おじいさん」とか「ジイちゃん」などと呼ばれたことがない。唯一呼ぶのは4人の孫たちだけだ。不思議なことに、この年でも自らが「老人」であるという自覚はゼロである。わが団地の自治会がまるで機能していないために、各地の老人会に出かけていくのが楽しい。未だに身体にメスを入れられた経験もないから、「両親には感謝せねばならないな」とひたすら思う毎日である。
 
 わが尊敬する日野原重明先生は、102歳にして益々活発に活動しておられる。75歳以上を「新老人」と称して、その元気さを後押ししている。まだまだ好奇心旺盛な私は、新老人として社会に貢献していきたいものである。
 2月の本欄のテーマとして意図していたものは、表題に掲げたとおりの「ソチ五輪と都知事選」である。
相変わらずのカネに絡む釈明ができずに、猪瀬知事はむなしく辞職する羽目に陥ってしまった。そんなことの繰り返し問題は後回しにして、ロシア・ソチにおける冬季オリンピックが筆者としては、地デジテレビ購入以来の最大の楽しみだ。大人の世界での汚い泥仕合や騙しあいと異なり、アマスポーツの世界は純粋の競技であり、結果のいかんに関わらずに楽しめる。

 
    
ソチ五輪の楽しみ


 ソチ五輪の日本選手団本隊37名の一行は1月31日、既にロシア・ソチに向け出発した。
日本選手団は総勢248人で、うち選手は男子48人、女子65人。ソチ五輪は7競技98種目が23日まで行われる。2日、五輪公園に隣接する選手村での入村式にはスピードスケート女子の4選手と役員、関係者15人が参加。団長の橋本聖子・日本スケート連盟会長を先頭に、日本とロシア両国の小旗を手にした選手らが入場すると、拍手が起きた。日の丸掲揚に「気引き締まる」とは選手たちの言葉だが、現場にいない我々も身が引き締まる。
 今大会で実施される7競技98種目のトップを切って6日に予選が行われるのが、スノーボード・スロープスタイル(SS)だ。ソチ五輪から新たに採用された種目に、日本勢のトップを切って角野友基(かどのゆうき)(17)=日産X―TRAIL=が出場する。1日ソチ入りした角野は、「いつもの大会と同じ気持ちで楽しみたい。自信はある」と意気込む。

          

 中学生でスポンサー契約を結んでプロとなった角野は、昨季、ワールドカップ(W杯)のSSで年間王者になった。今年1月にあった賞金大会Xゲームズでも、ビッグエアで2位に入って自信を深めている。SSのほか、フリースタイルスキー・モーグル女子の予選、フィギュアスケート団体の一部が、7日の開会式前の6日に行われる。

      

        
日の丸が掲揚された入村式と参加した選手たち   アサヒデジタルより
 


 冬季五輪は参加選手は少ないがメダル獲得の可能性のある種目が多く、それだけ我々の楽しみも増える。
 何と言っても注目度bPは、女子ジャンプの高梨沙羅だ。今回のソチ五輪から正式種目となったとはいえ、女子ジャンプは、世界的にまだまだマイナーな競技だ。ところが、その世界に一人の天才少女・高梨沙羅が現れ、我が国では異様な盛り上がりを見せ始めている。W杯の札幌大会、蔵王大会で共に表彰台に上ったドイツのカリーナ・フォクトも、「ドイツに比べて、観客の数もメディアの数も日本の方がはるかに多い」とビックリしていた。

 日本で行なわれたW杯4戦では、ほとんどの試合で5000人を超える観衆が会場へ詰めかけた。大げさでなく、そのほとんどが彼女見たさに集まったといっても過言ではないだろう。すべてのファンが期待するのは、ソチ五輪での金メダル。
 彼女と同じ北海道・上川町出身の長野五輪金メダリスト原田雅彦氏も「沙羅ちゃんの金メダルの可能性? 100%だよ。あのジャンプ見たでしょ? 500%でもいいな。間違いない」と楽観している。唯一の死角を挙げるとすれば、その期待が重圧に変わったときだろう。高梨本人は、こう語る。

「期待してくれるというのは、どうでもいいというのではなく、どこかで気にしてくれていること。応援してくれていることだと思うので、すごく嬉しいです。プラスにとらえています。だから、五輪では感謝の気持ちをこめて飛びたいです」ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプは1日、オーストリアのヒンツェンバッハで女子個人第12戦(HS94メートル)があり、ソチ五輪で金メダルを狙う17歳の高梨沙羅(クラレ)が合計231・7点で3試合ぶりに勝った。
今季9勝目とし、サラ・ヘンドリクソン(米)が2011〜12年シーズンに記録した女子ジャンプW杯のシーズン最多勝に並んだ。
通算18勝目。高梨は1回目に87メートルを飛んで2位につけ、2回目に90メートルで逆転した。

        

    

                 
高梨沙羅選手 最近の成績

   
      
ソチ五輪競技日程         日本オリンピック委員会
                                                                          http://www.joc.or.jp/games/olympic/sochi/schedule/

 

 
上記の日本オリンピック委員会のURLにアクセスし、+マークの入った〇をクリックすると、各種目の詳細を見ることが出来ます。また青い四角をクリックすると、競技実施の時間帯(現地および日本時間)も確認出来ます。

       
       
      
都知事選について一言


 東京都知事選挙に関しては、スペースの都合上わたしの意見は短く書かせて頂きますが、要点のみ記すれば下記の通りとなります。

 
1.政治家に転身した猪瀬前知事も5000万円のカネについて説明の出来ない情けなさ。カネが命取りになることも知 らない者は、元の木阿弥になるのが最もふさわしい。

2.後継の知事を目指して立候補した人間に、安心して東京任せそうな人がいない。敢えて言えば共産・社民党推薦の宇都宮健児氏位か。しかし、残念ながら当選は難しい。
 
3.後出しじゃんけんで立候補を決めた細川氏には、日本新党を立ち上げ首相を務めた当時の覇気はない。都知事としてあるべき姿の政策もなく、小泉元首相の知恵に頼り「原発廃止」のみの出馬だ。小泉氏の「郵政改革」一本槍を模倣するだけでは、都民は重要な都政を託すことはないと思える。二人は既に「過去の人」であることを知らないとすれば、真に愚かな方たちである。この様子は先の民主党代表選で、小沢氏に泣き付いて立候補した海江田万里氏を連想される。共通点は自己の絶対的主張がなく、他人頼りと言うところか。

4.最も早く立候補宣言をした田母神俊雄氏は、自衛隊元航空幕僚長だ。防衛大学出身のいわば生粋の軍人と言って良いだろう。政治に関しては全くの素人であり、過去にも中国に対抗するために、「わが国も核武装」を主張している。石原慎太郎氏以上の右寄りの人物。都民は選択しないだろう。

5.消去法でいくと、升添要一氏となる。この方は奔放な女性関係で知られる。最初は留学中に出会ったフランス人と結婚。2度目の妻が片山さつき(朝長さつき)。しかし長続きせず、1986結婚したが、1989年には離婚した。   1996年に現在の妻である元秘書と3度目の結婚、2児を設けた。他に二人の女性との間に婚外子が3人いる。また、実姉の生活保護問題では面倒を見られないと断ったりしている。こんな過去帳からは自分勝手な人柄が連想される。 しかし他陣営の弱体ぶりから、宇都宮、細川氏などを引き離しての当選が予測される。

 こう見てくると、現在の日本は如何に人材不足かが思い知らされる。いずれにしても、2020年には東京オリンピックが決定している。都政は国政にも大きな影響を与えるのは必至だ。人間には一長一短がある。都民はもとより、国民みなが常に都政のかじ取りを監視し、より良い方向へと進むことを願って止まない。
 最後になるが、前記の4人の候補者に加えてあと12人の候補者いる。いわゆる泡沫候補だ。彼らは当選するなどとは全く考えることなく立候補する。彼らは、立候補につきものの供託金などは無視して立候補してくる。政見放 送は、経歴と合わせて6分の時間が与えられ、自由に何でも主張できる。しかも都知事選の場合はNHKで2回、民放では4回放映される。
 これだけの時間を、ふつうにCM枠で購入したら一億円近いお金がかかる。波及効果まで考えれば数億円かける価値がある。つまり、有効投票10%に満たないために供託金300万円を没収されても、ものすごく安い買い物というわけだ。こんなやからを立候補させないための供託金の改訂も早急に必要となる。無駄な費用の削減は目の前にある。
  
  

 似たような例がある。大阪では自己の主張が通らぬために、市長を辞職して再選挙を行うという意味のない選挙を企んでいる市長がいる。以前は大阪府知事を務めていた人物だ。自分の都合で知事を辞職し、市長選に立候補し当選を果たした。これなどは自己保身のための典型的な公費乱費と言えるのではないか。

 橋下氏は大阪府と大阪市を統合再編する「大阪都構想」の2015年4月実現を目指しており、区割り案の絞り込みを制度設計の協議会で提案したが、自民、公明などから反対されて見送られた。このままでは都構想実現が困難であるとして、出直し選挙で改めて民意を問う考えだ。

 また、大阪市長選には約6億円の費用がかかる。橋下氏は人件費や文化芸術の補助金など、歳出削減を強烈に推し進めてきた人物だ。2月の議会は地方自治体にとって予算を審議するもっとも重要な議会だけに、そこに空白が生じる マイナスや、協議会での主張が通らなかっただけで、巨額の費用がかかる選挙をすることへの疑念も各方面で指摘されている。こういった自己本位の無駄な支出をする人物は、市民によりいずれ放逐されるに違いない(C.W)。