(11月の修学旅行の旅程は,初日が民族村での歴史テーマパークの見学,2日目は日本語を専攻する学生とともに班別の研修,3日目は伝統文化のミュージカルを見学したあと、ソウルの孝門(ヒョンムン)高校の生徒と学校交流会を予定している。)
6月14日(木)、300名余の男女生徒が待ちわびる中、お馴染みのチマチョゴリ姿が見えてきた。渡辺正(まさし)校長先生に伴われてヘリョンさんが高く手をかざしながら現れた。万雷の歓声と嬌声と拍手が巻き起こった。
ヘリョンさんは開口一番、「みなさ〜ん こんにちは〜。私はヨン様じゃあないよ、ヘリョンですよ。知っていますか〜。」と問いかけた。とにかく、声が大きい。テンポも早い。体育館いっぱいにヘリョンさんの声と生徒の笑い声が響く。
韓国では、KBS・コメディ新人賞などを獲得したあと、テレビ、映画などで活躍する超売れっ子。日本での活動を目指し1年前の4月に来日。仕事の傍ら、1日に8時間、6か月間休みなしに日本語の学習に励んだという。
韓国と日本は最も近い国だけれども、文化の差は大きいと説く。韓国では道でぶつかっても,「すみません」などと謝ることは殆どない。「日本人は礼儀正しいね。でも悪気はないから,びっくりしないでね」。友だちと一緒に、食事したり飲んだりするときも、韓国では「割り勘」はしない。水くさいからだ。どちらかが代わるがわるご馳走する。お店で食べるときなど、日本では「小さいおかず」を追加すれば、その分高くなるが、韓国では「小さいおかず」はタダだという話。そうかなぁ〜?しかし、どうも本当らしいのだ。
おつぎは、基本的な韓国語講座である。韓国では朝でも夜でも、挨拶は「アンニョンハセヨー」一つだけでよい。友だち同士ならアンニョンでもよいし、パンカパンカーなんて言うことも多い。カムサハムニダ(ありがとう)、カッカジュセヨー(まけてください)、――ジュセヨー(○○をください)など実用的な言葉をヘリョンさんの生の発音で学んだ。韓国語の語順は日本語と同じだから覚えやすい。生徒たちは、「発音がいいよ〜」とほめられる。
予め用意された生徒たちの質問に、ヘリョンさんは次々と答えていく。韓国のお土産は? これは何といっても韓国海苔(味付け岩海苔)だ。韓国スティクのりもウケるらしい。お奨めの料理は? 1はトッポッキ(餅の辛味炒め)で、メチャおいしい。ついでチヂミ(お好み焼き風料理)、ビビンバ….などと話は尽きない。
後半はヘリョンさんと楽しむゲームコーナーである。なんとヘリョンさんは、ゲームの景品をたくさん持参してきた。日本のじゃんけん(グー、チョキ、パー)と同じである。ヘリョンさんが大きなアクションで3種類の動作を行う。生徒たちが同じアクションをしたら、負け。すぐに座らされる。こうして最初にユンソナ著の韓国語の本をもらったのは、男女それぞれ5人の生徒たち。そのあとは、韓国海苔やアイドルのクリアファイル、人気キャラクターのストラップなどの景品を提供。先生方や見学のお母さんたちも巻き込んでの大変なフィーバぶりとなった。
最後にヘリョンさんは、「自分も日本で頑張る。鎌高の皆さんも夢を持って、自信を持って、何でもいいから挑戦してほしい」と力強くエールを送った。
修学旅行交流委員長の西山君がヘリョンさんへのお礼の言葉を韓国語で述べ,女生徒が花束を贈呈し、有意義な講演会は興奮冷めやらぬまま終了した。
* 追記 なお、鎌ケ谷高校では修学旅行事前学習として5回の講演会を計画し、今回は2回目の学習となる。 昨年 2月 コミュニケーション能力を養成する 千葉大学教員 本年 6月 韓国を好きになり興味関心を湧かせる ヘリョン氏 本年10月 韓国班別研修のための見所紹介と旅のロマンを感じさせる 旅行作家 本年10月 韓国と日本の歴史について 平和学習 本校教員 本年11月 ハングル講座 日常会話の習得 鎌ヶ谷市ハングル講座講師 1回1回のテーマを絞り,生徒の心を修学旅行まで持っていき,健やかな修学旅行にしようとの考えだ。 若いうちに海外に出かけ、見聞を広めることは、生徒の皆さんにとって将来の大きな財産となることでしょう。 (レポート:C.W) |