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                 落日の自民党 忍び寄る下野の恐怖


        
 「6月30日(みそか)は年の臍(へそ)」と言う。一年もちょうど半ばの今日を、体の真ん中にあるヘソにたとえた。これは30日、朝日新聞の天声人語に書かれていたものである。へーえ、そんな言葉があるのか、と広辞苑で調べたが見当たらない。最新の電子辞書にもない。面倒だ。詮索は、まあ後にしよう。
 いずれにしろ、今年も1年の半分に差しかかった。21日の夏至も過ぎて、これからは日ごとに昼間の時間が短くなる。実感としては、昼間が短くなるとは到底信じられぬ本格的な暑さが到来する。梅雨の合間に、そこかしこから「今年一番の暑さ」との報道が伝わってくる。そんな毎日を今年も耐えて頑張ることにしょう。

 おっちゃんが、毎日お世話になる排尿の具合が「おかしい」と気付いたのは、もう数年も前のことである。年のせいだと気にも留めなかったら、2年ほど前に「前立腺に異常あり」と、行きつけの病院で宣言されてしまった。これで毎日飲む薬が以前からの軽い糖尿病薬に加え、3種類になった。前立腺障害とは結構厄介なものである。
 排尿が遅い。時間がかかる。切れが悪いなどの症状に加え、頻尿がある。このため、夜中に何度も起きる羽目に陥る。膀胱内の尿が全量排尿されないから、すっきりとした感覚にならない。病院の処方する薬服用で、起きる回数は減少しているが、やはり夜中に1〜2度位起きるのは避けられない。 熟睡の感覚もないままに、そのうち朝を迎えることになる。今では朝方の5時は明るいから、サッと起きて周囲の窓を開け放つ。よどんだ室内の空気を外の空気と入れ違えると、多少の寝不足は解消される気分となる。

 そんな時間に家族の者は誰も起きない。みな白川夜船で鼻から提灯を出して熟睡中だ。おっちゃんは立ち上がりの遅くなったパソコンのスイッチを入れて、本日のノルマを始める。ノルマとは、メール碁の返信作業である。夕べあらましは検討した棋譜を再度見直して送信すると一つのノルマは終わ
る。
ところが最近、同じような時間帯にウグイスの鳴き声が聞こえてくる。わが家の前面一帯は栗林であり、その緑の葉の中にいるのは間違いない筈だ。と思ったら、正しくはすぐ近くの竹林に巣作りしており、「明るくなるとわが家の近くで鳴く」が正しいようだ。デジカメでその姿を捉えようと、毎日待ち構えている。或る日のこと、準備万端整えていたら、威勢よく「ホーホケキョ!キョキョ!」と聞こえてきた。「よーし、今日こそ」と栗の木のテッペンにとまった姿をズームで撮った。

 間違いなく大きな声の持ち主と思った。しかし明け方の曇天の上に、逆光だったためウグイスとは確定できない。鳴き声は間違いなく「ホーホケキョ」だったのに、わが家の野鳥博士に否定されてしまった。8月まではいるらしいから、「声はすれども姿を見せず」の忍者の主を、必ず突き止めねばならない。
(上のアニメをクリックすると、ウグイスの声を聞くことができます。 デターはFlash形式です。動画再生はReal PlayerでOKです。)

   うぐいす    

    
ウグイス5体  スズメ目ウグイス科ウグイス属    yahoo japan キッズ図鑑より
               山梨県および福岡県の県鳥


 
落日の自民党 忍び寄る下野の恐怖(一)

 「カエルを熱湯に入れると、びっくりしてすぐに飛びだす。ところが、水につけてゆっくり暖めると、カエルは気付かないままに、茹だってしまう」という寓話がある。
 この茹でカエルの法則、それこそは、まさに現在の自民党にそっくりである。「郵政民営化は是か非か」の一点に絞り、変人総理が踏み切った4年前の衆院選挙では自民党が圧勝したが、いまや、嫌が応でも2か月ほど後には訪れる衆院選挙に自民党は慄いている。

 名古屋、さいたま、千葉と続いた近々の政令指定都市の市長選挙では、民主党の候補者が3連勝を果たした。市長選挙は国政と関係ないと予防線を張るが、麻生総理の心中はおそらく恐怖感と不安感で一杯だったことだろう。
 しかも、市長選の新たな当選者たちは官僚などからの天下りではなく、現状を打破しようとする挑戦者たちだったこともある。これらの選挙では、自民党の得意とする組織選挙が完璧に敗れた。

 79年の初当選では「じいさんに負けぬ政治家になる」と誓った麻生総理は、もはや伝家の宝刀たる解散権を行使する余裕も見受けられない。
 政権発足当初から官僚の書いた作文が読めずに、国民からの失笑を買った。あまりの資質の無さに我々も唖然とした。こんな人がわが国を代表する総理なのか。
 今、小学校高学年になると、「未曾有」という漢字は、殆どの生徒が読めるようになったと揶揄される。
 日一日と総選挙の迫る中で、多くの自民党員たちは、ぬるま湯に浸かったままである。身の危険は身近に迫っている。モタモタしていたら、茹であがってしまう。太郎(麻生)会の会長で、数度の総裁選挙を支えた盟友の鳩山総務相も閣外に去った。「判断が出来ない」「判断を間違える」「判断がぶれる」と鋭く指摘される麻生総理だが、それを支えるべき自民党内からも麻生降ろしの声があがる。

 「破れかぶれ解散」か、「茹でカエル解散」か、はたまた「やけくそ解散」か。しかし、解散権を行使できるかどうかも、あやしい形勢となってきた。


千葉市に31歳の市長誕生 

    

 前千葉市長は僅か100万円の収賄により逮捕、辞職のやむなきに至った。公的な地位にある者は絶対にお金をもらってはいけない。なんど、おっちゃんが言っても分からない人たちである。
 これをうけた千葉市長選挙は6月14日、投開票が行われ、民主党が推薦し、社民党が支持した無所属の元市議会議員・熊谷俊人氏が17万629票を獲得し、自民・公明推薦の候補らを退け、見事初当選を果たした。全国最年少、31歳の史上最年少の政令市長の誕生となった。

 熊谷氏は、2年前に市会議員に当選したばかりである。自民・公明推薦の候補者は、建設省から千葉市都市局長、国土庁課長、東京都開発部長などを経て千葉市の前副市長であった。典型的なエリートコースを歩んでいる。これまでなら、間違いなく市長へ登りつめたに違いない。前市長の汚職も大きかったが、やはり時代は変化を求めている。市民は、自転車で走り回る若い世代に夢を託したのだろう。前市長が辞職した関係から、熊谷氏は当選翌日から執務に追われている。

 熊谷氏は議員時代からの膨大なブログと決別し、市長としてのブログに彼の行動は詳細に記されている。公私混同はまずいからだ。市長ブログは下記のアドレスから接続する。

        http://kumagai-chiba.seesaa.net/

 「かわいいというから見れば 千葉市長」「うみを出すのに遠慮は無用 市長若さで立ち向かえ」と
川柳作家諸兄も応援している。年も違い、経歴も異なるが、「若さはありそうな」森田知事との連携で、大きな可能性を秘めた千葉市・千葉県を作りあげて欲しいものだ。



 30代は市長をめざす
 

 
千葉市で全国最年少の市長が誕生したのを始め、全国で「30代市長」が相次いで登場している。この1年間では11人に及ぶ。共通するスローガンは、言うまでもなく「チェンジ」である。不況は地方経済を直撃し、市民は日々の暮らしに切迫感を覚えている。

 当選した11人の前職は市議や県議が7人、民間サラリーマン、議員秘書、総務省職員、病院事務長がそれぞれ1人となっている。選挙戦では、現職の支援者などは「若すぎる」「素人だ」などと、その危うさを指摘した。しかし、市民は「東国原さんでも仕事が出来る」と分かっている。時代を追いかけ、変化を遂げるには若さが必要なことも同様である。

 実績や経験は、あるにこしたことはない。だが、旧態然とした行動や発想では、現在の閉塞感は打ち破れない。
 どんな組織でも年寄りばかりでは、保守的な思考が幅をきかせ新たな展望は開けない。決して変化は起きない。そんなことが若い人たちに夢を求め、その実践を託すのだろう。6月28日に投開票の行われた横須賀市長選では、33歳の吉田雄人氏が再選を目指した現職の蒲谷亮一氏を破った。

 横須賀といえば、小泉元首相のお膝元だ。旧自治省出身者3人が9期36年間にわたって、市長を務めてきた。小泉氏自身も蒲谷陣営に顔を出したり、自公民相乗りの選挙だったが、2万票もの差がつく有様であった。これには元総理も真っ青になったことだろう。「改革総理」の威光は、自らの地元で脆くもくずれたわけである。

 現役時代に中曽根、宮澤の両元総理の議員生命を絶った小泉元総理は、息子を自らの後継にさせようと企む節操の無さだ。いま世襲が問題視されている真っ最中だ。そんなとき、抜け抜けと息子を自民党の公認候補にさせようとする。
 ふざけてもらっては困る。いくら若さが強調される時代でも、これは決して許すことは出来ない。



落日の自民党 忍び寄る下野の恐怖(二)

 「景気は底を打った」とか「底入れした」などと日銀などは発表しているが、別に庶民の生活が良くなったわけではない。一般企業では、残業や給与のカットからボーナスの減額などで住宅ローンの支払えない世帯も増加している。日常生活ではスーパーの安売り広告を眺めて、はしごをして歩く奥様方も多いようだ。
 現実には、ふつうのスーパーは昼どきなどはガラガラだが、ディスカウントスーパーでは、客の切れ目のないほどにレジに並ぶ。定価販売のコンビにも、本部の方針に従わず安値販売をするところが出てきた。弁当など余ると捨てていたものを、半額でも売ろうとするもので、真に理にかなった事である。これを値段が崩れるから押さえ込むという本部方針は、資源や食品の無駄遣いで、絶対に許せないものと思う。
 自分だけ、自らの会社が儲かれば良いという考えは、もう通らない。

 話を政界に戻せば、政治家ほど金に鈍感な人間も珍しい。数億という献金を受けながら、「どこから入金したのか知らぬ」などと言う。「適法に処理している」だけで、説明は終わる。誰が何の見返りも期待せずに億単位の金を献金するものか。ウソはいい加減にやめてもらいたい。
 これは小沢前民主党代表だけの問題ではない。自民党の二階経済産業相や与謝野財務相なども、誰も納得しないような答弁で逃げる。こんなことで、よくまあ経済関係の閣僚などをやるものである。もちろん、任命権者に第一義の責任がある。

 麻生政権は日ごとに支持率が落ちてきた。もはや落城寸前である。自党の出番は間違いなし、と威勢の良かった民主党だが、政界一のセレブ・鳩山代表も献金問題で説明不足に陥っている。

 鳩山氏の資金管理団体の「収支報告書に、故人や献金していない人の名義が記載されていた」。また、鳩山代表の別の資金管理団体資金収支報告書では、5万円以下などの条件を満たす匿名の個人献金の総額が、07年までの5年間で計2億3千万円に上り、国会議員のなかで突出して多いこともわかった。 これも、公設秘書が担当したというだけで、実態は不明だ。セレブであるがゆえに、金など気にせぬお坊ちゃまなのだろう。だが、それでは庶民は納得することは出来ない。

 民主党の失点もあるが、麻生総理の命運も、もはやこれまでか。都議選挙を理由に解散時期を制約され、今頃自民党幹事長などの人事に踏み切るつもりが党内の総スカンを食って実行出来ない。挙句の果てに、閣僚の兼務していたポストに新大臣を任命した。あと数日の大臣に何の意味があるのか。

 成すこと、成したくても成されぬ事の最悪は、東国原宮崎県知事を自党の候補者に担ぎだそうとしたことに尽きる。これこそ、まさにマンガの世界かと思った。
 「窮すれば鈍す」。「総裁候補にすれば、......」などと言われる有様であった。麻生総理の使者で行ったのか、選対本部長として行ったのかは不明なれど、哀れ、地に落ちた自民党!
 解散権も封じられた総理の打つ手は....。爺さまの「ばかやろう解散」ならぬ「バカタロー解散」と、後世の人々は名づけることであろう。
                                                              
                                                             (C・W)