新たな出会い・研鑚・社会貢献の場を求めて




    たまには 自問自答でも         

 各地の山々には冠雪の便りも聞かれる頃となった。富士の山頂はうっすらと雪におおわれたが、その直ぐ下に広がる見事なもみじ色模様の写真などが報道されている。今年も、はや紅葉の季節を迎えつつある。

 日光国立公園へと連なる東武鉄道の駅などには、沿線の紅葉前線の様子などが毎日黒板に書かれていたりする。先日、当地の東武鎌ケ谷駅でそんな光景をみて、何となく微笑ましく思ったものである。しかし、今やインターネットで素早く世界を駆け巡ることが出来る時代でもある。
 日光地区に限れば竜頭の滝や湯の湖、そして那須高原はもはや「色あせ始め」であり、戦場が原や華厳の滝(いろは坂)は紅葉見頃、鬼怒川・川治温泉は「色づき始め」、那須・落石や太平山は「青葉」となる。各地の情報を集めながら散策の機会を練るのも、また楽しみなことである。


                        
                  

           

 近年とみに人間性の失われた世間を見るにつけ、ズーッと性善説を信じていたオッチャンも、そろそろ性悪説にきりかえねばならぬかと観念しかかっていた。しかし諦めるには及ばぬことも分かった。まだまだ、わが日本にも多くの立派な人々がいるのである。

 最近のニュースなどを見て思い浮かぶのは、日本のプロ野球に満足することなく野球の本場・米国メジャーリーグに果敢に挑戦した若者たちであろうか。トルネードの野茂の活躍にも刺激され、次々と日本の選手が米国に渡った。そして今年は、1億ドルもの巨額な投資のもとに西武の松坂大輔がレッドソックスに入団した。
 松坂は勝つには勝ったが、負け星も重ねた。米国では、ファンが期待したほどに選手が活躍しなければ猛烈なブーイングに襲われる。松坂もその例ではなかった。ワールドシリーズでも、勝ち星をあげられず途中降板を重ねたが、重いプレッシャーと戦いながら踏ん張った。そして、ぎりぎりの瀬戸際ではきっちり勝って、チームの優勝に貢献することができた。とにかく根性があることを見せ付けてくれたのが嬉しい。これからも同僚の岡島投手ともどもに、益々の活躍を望みたいものである。

 振り返って、今年の日本シリーズでも感動を与えるものが多かった。シリーズはレギュラーシーズンもCSも、1位で通過した日本ハムと、レギュラーシーズンは2位ながらも、CSは5勝無敗で勝ち上がった中日の2年連続の対決となった。

 シリーズでは、豪腕ダルビッシュを有する日本ハムが先行したが、その後、中日が見事に4連勝して一気に優勝を決めた。ここで最もファンに感動を与えた選手をあげれば、昨年オフにオリックスを解雇になり、やっとこ中日に拾われ、育成選手からスタートした中村紀洋であろう。数々の実績のある中村がゼロからの出発であった。
 年俸2億円を超えるスタープレイヤーが高卒新人並みの給料でがんばるのは、普通の選手に出来るものではない。その努力は報いられ、見事に日本シリーズでも大活躍、MVPを獲得するに至った。お立ち台での涙は「自分を褒める」涙でもあったかも知れない。不本意にもリストラされるサラリーマンの皆さんも、たかが野球と思わずに、ぜひとも自分に共通する何物かを見出して欲しいものである。

 本シリーズでは、もう一つの大きな教訓が見受けられた。第5戦、中日先発の山井投手は8回までランナーを一人も出さず完全試合のペースであった。だが9回、落合監督は山井に代えて守護神岩瀬をおくり、1点差を守りきった。過去日本シリーズでの完全試合はない。しかし、山井は出来たかも知れない。山井のシーズンでの成績は6勝4敗である。完投は僅か1で、実績がよいとは言えない。ここに納得して降板した山井、非情とも思える交代を命じた落合監督。我々は、両者の心情から、ここにも多くの教訓を得ることだろう。

           
 
 野球に関しての明るい話題がまだある。昨年の甲子園を湧かせた早稲田実業の斉藤と駒大苫小牧の田中がそれぞれ、大学野球とプロ野球に進んだ。かたや女性好みのハンカチ王子といわれる容姿であるが、一方の田中はごっつい野武士風である。進む道は違ったが二人ともに持ち前の力を発揮し、野球界に新風をもたらせた。

 斉藤は早稲田入学早々に先発投手の一角を占め、春の優勝に貢献した。また秋の大会では、慶応との優勝を決める3回戦に先発し、大学入学後、自己最多の15三振を奪うとともに、公式戦初の完封勝利をおさめた。
 1年生投手が春秋連続で優勝投手となる快挙を成し遂げ、最多勝、防御率、ベストナインの投手三冠も独占したわけである。実績は勿論だが、高校野球に押され続け、ここ数年テレビ中継も敬遠されていた六大学野球へのファンを取り戻した功績は大きい。かくいうオッチャンも、久しぶりの大学野球のテレビ観戦を楽しませてもらった。

 
  一方の田中は、最後の日本ハム戦で13奪三振で完投勝利。11勝目を挙げてチームの単独4位を確定させた。昨年ドラフトで入団したばかりの18歳右腕は、堂々とプロ1年目のシーズンを完走した。
 斉藤祐樹のニックネーム「ハンカチ王子」に対抗する意味で、『バンダナ男爵』なるニックネームをもらっているとか。
1年目にソフトバンクの4本柱(斉藤和巳、杉内俊哉、和田毅、新垣渚、)全員と投げ合って勝利投手になっているから、只者ではない。野村監督に「マー君、神の子、不思議な子」などと揶揄されるのも大物の資質ゆえか。楽天もまた、田中効果で万年ビリから脱出できたとも言える。

 二人のたゆまざる努力とその活躍の成果は、小中学生の夢をかきたて、更なる高校野球の発展と若者たちに希望を与えるに違いない。

           


 もう一つの話題がある。オッチャンは現在、ゴルフをやらない。特に大きな問題があってやらないわけではない。サラリーマンだった現役のときに、人並みにゴルフを始めた。得意先(仕入先)がゴルフをやるよう勧めてきたからである。そんなことで、ゴルフバッグなど一式を買い求めた。素人が始めるものだから、最も簡便な、安価なものだった。
 最近暴露された防衛事務次官のように高価なものを提供されたわけでもなく、大きな接待をうけたわけでもない。ただ些細な接待は受けている。大きな権限を持っていたわけでもないから、その接待なるものもほんの僅かなものに過ぎない。

 そんなときに、プロゴルファーのトーナメントの入場券をもらい、プロの競技を何回か見に行ったことがある。とにかく桁外れにヘタなオッチャンは、プロの打球の速さや飛距離、そして正確なアプローチなどに驚かされたものだった。残念なことに女子プロのトーナメントは見たことがない。当時は樋口などの全盛時代だったが、現在みたいに若くて可愛い女性プロは少なく、何だかごっついお姉さんばかりであった。


 得意先とのゴルフや社内コンペにも出てはいたものの、いつもブービーかビリでそのうち飽きて止めてしまった。道具はすべて捨ててしまい、今やその残骸は数個のボールが残るだけだ。皆さんの話によると、ゴルフを始めて止めた人間は殆どいないらしい。そのうちの一人がオッチャンということになる。仲間がゴルフに行った話しをするが、全く羨ましいとも思わない。

 そういえば、台湾やハワイ、そしてシアトルなどでもゴルフはやっている。ゴルフは知らず知らずのうちに結構歩くから健康によい。まして打つたびに、アチラコチラと方向違いに打つオッチャンは、人の数倍も歩いたことになる。バンカーに入れば、いくら打ってもボールが砂場から出ない。やっと出たと思えば、何とボールは向かいのバンカーに入っているではないか。

 したがって、当時は新鮮な緑いっぱいの森の空気をたっぷり吸いこみ、よく歩いたから健康そのものであった。と、いうことになるのかな。



 実は、こんなことを書くつもりではなかった。かの若き天才ゴルファーである石川遼のことを書く予定であった。今年の5月、石川遼が突如としてプロのKSBカップで優勝したことにより、俄然男子プロが注目される存在になったことだ。女子におされ気味だった男子ゴルフも、これで風向きが多少変わったようである。なにしろ16歳の少年に、並みいる歴戦のプロが負けてしまったのだからなぁ。
 
 オッチャンは若き頃に、プロの凄さを目の当たりに見た。それゆえに、石川のゴルフが何となく想像できる。しかもこの少年はあくまでも謙虚だ。だが上を目指すその意欲の強さには、凄まじいものがある。

 奢ることはないが、飽くなき向上心には期待するところ大である。ぜひ、ウッズをも倒してほしいものと思う。その日を心待ちにしている。                          
(C・W)