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消えた年金 20兆円 !!
年金保険料の一部を収納担当の職員が横領している事例があるとして、社会保険庁は全国の実態調査を始めた。保険料横領は発覚している分だけで2002年までに1億1000万円を超すと判明、未発覚のケースもあると見られる。
社保庁は市区町村職員を調査する方針だが、同庁の地方出先機関も対象になる可能性がある。
保険料横領は、払ったはずの保険料納付記録がなくなっている「消えた年金」などの一因とみられる。調査と情報公開を急ぐ必要がありそうだ。
会計検査院の調査資料によると、1989―02年までの公的保険料の横領額は発覚した分だけで約1億1000万円。4年間にわたり加入者から受け取った保険料を国庫に納付せずに着服していたケース(東京・蒲田)、架空の被保険者記録を職員が作り自ら開設した金融機関口座に年金を振り込ませていたケース(愛知県・半田)など計7件もある。
こんな職員たちに大事な年金保険料を管理させていたとは、まことに情けない。「昔から民より官が偉い」などという風潮があったが、実態は、こんな腐った人間が多いことをまたまた実感され、怒り心頭に達する思いだ。本当にぶざけたやつらという以外に言いようがない。
「消えた年金」をめぐる論戦の舞台が参院に移ってから一週間たった。民主党や共産党の議員に追求され、安部総理もやっと「社会保険庁の責任は重大」と他人事のように認める有様だ。
五千万件にのぼる「消えた年金」の被害はいくらになるのか。政府は「データがない」と明らかにしなかった。ある政党の試算によると、つぎのようになる。
平均加入月数が最低の1か月だとしても、奪われた給付は三兆一千百三十七億円、仮に6か月とすると約二十兆円にものぼる可能性があると試算された。この具体的な推計額に対して、政府はこれを否定できなかった。マスコミもこれに注目し、「未支給三兆円超の試算」(「日経」)などと報じた。
国会で追及されるたびに、消えた年金は更に増える一方だ。隠蔽体質は社会保険庁に限らない。法を守る法務省や取り締まる検察庁や警察庁も変わらない。「身内に甘く外に厳しく」が官僚の本質である。これでは庶民はとても叶わない。泣くにも泣けぬとは、正にこのことか。
警察署を始め、一般官公庁の入り口(玄関)は少なくとも3段か4段高くなっている。ふつうの地面よりも高いところにある。これなどが「我こそは特権階級なり」を如実に示す一端でもあるのだ。この辺を崩すことも我々は考えるべきなのだろう。
一部職員によって横領された金額はもとより、社保庁のズサンな対応、処理によって奪われた20兆円はコツコツと一般国民が納めた「庶民一人ひとりの年金」なのである。安部総理をはじめ、幹部職員の夏の賞与返上や給与のカット程度で済む問題ではない。ОBも含め、職員全員が何年かかっても、弁償・返済すべき金額なのである。と考えるのは、オッチャンだけではあるまい。それが世の中の常識ではないのか。
そろそろ政府も社保庁も腰を上げ始めたところゆえ、細かいところはマスコミにお任せするとして、彼らに全てを託していては絶対にいけない。残念ながら、絶えず疑念の目を持って、自らの年金問題に取り組むことが、まずは我々の成すべきことである。
またまた発覚 大偽装事件
北海道苫小牧市に本社をおく、食品加工卸会社ミートホープ社が製造した牛ミンチに、豚肉だけでなく鶏肉の混入した「牛製品」が市場に流通して店頭に並んでいたことが判明し、大変な事態となった。専門機関が調査したDNA鑑定で分かった。流通業者による保管分調査などでも相次いで豚肉が検出される一方、「牛100%」は一切確認されていない。ミート社は、恒常的かつ広範囲に牛ミンチの偽装を続けていたわけである。
これまでの報道によれば、数々の「ニセ牛ミンチ」が判明した。北海道加ト吉の冷凍食品は、材料表示が違ったまま流通していた。卸会社の複数の元幹部は、朝日新聞社に対して、古い肉を利用していたとも証言している。同社の肉を使った製品は北海道加ト吉だけでもコロッケ20種にのぼる。ほかに卸会社と取引している食品会社は多く、その製品は全国に出回っているとされる。加ト吉は直ちに、社内に危機管理本部を設置し、調査に乗り出す方針を決めた。
商品パッケージに「牛肉」と書かれた生協の冷凍コロッケ。「北海道産の牛肉とじゃがいもを使いました」とも明記されている ニセミンチ肉のコロッケなどが全国に出回った。
北海道加ト吉の20品目のうち、豚肉の混入が判明したのは「CO・OP 牛肉コロッケ」(1パック8個入り)で、日本生活協同組合連合会(東京都渋谷区)のブランドで全国販売されている。売り上げは年間約100万パックといわれる。
昨夏まで勤めていた元幹部らも「牛脂も含めて混ぜてしまえば、見た目や味で不審に思われることはまずない」と証言。単価を下げるためで、7、8年前に始まったと話している。さらに同社元幹部らは、腐臭を発するような肉を仕入れた後、殺菌処理をしたうえ、牛肉に見せかけるために家畜の血液で赤く着色して使ったこともあったという。
日本生協連は「開発時などに調べた。ただ対象は残留農薬などで、牛か豚かの遺伝子レベルの検査はしていない」と説明している。ミート社は問題なく重犯罪者だが、この場合生協の責任も大きいと思われる。「生協ならば安全」と考え、組合員ともなり毎日購入している消費者は多い。
「生協のコロッケ」として、自社ブランドで販売していたものならば、品質の責任は全面的に生協に所属するものであろう。この場合、実際の生産がどこであろうとも、責任は全面的に生協になる。
オッチャンは製造業に籍をおいた者として、そのように思う。生協の検査が残留農薬だけだったのは、全くブランドに対する意識の無さを露呈している。自社ブランド商品なら、一層注意を払わねばならなかったのである。
それをないがしろにした責任は、きわめて重いのだ。深く深く反省すべきものである。
創業者の田中社長は、苦労して現在の会社を作り上げたといわれている。えてして、このような苦労人が陥りやすい罠に、自ら落ちてしまった。ワンマン経営者は裸の王様となって、自らが先頭に立ち消費者を欺くインチキ商売を進める羽目となった。「雪印の二の舞となるかも」と分かりながら、雪印の後を追ってしまった「不二屋」、その事例をよくよく知りながら、さらに悪質な食品製造を手がけてしまったミートホープ。
自らを成功者と祭り上げたバカ社長の転落はやむを得ぬ。自業自得である。中身の見えない食品だからこそ、陥りやすい麻薬だったに違いない。似たような業者たちは、いま即刻に正しい道に戻ることを、切に切に望むところである。