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フィギュアスケート 世界選手権で1、2位を独占
春は「選抜高校野球から」といわれるが、今年は何と言っても東京におけるフィギュアスケートの世界選手権であろう。昨年のトリノ五輪では日本勢が不振を極める中、フィギュアスケートで荒川静香が見事に金メダルを獲得した。いまや荒川の代名詞ともなった「イナバウア」は、ほかにもこなす選手は存在するらしいが、荒川のは大きく背中を反らせたもので、「レイバック・イナバウア」というそうだ。イナバウアは2006年の新語・流行語大賞にもなった。昨年の3月27日、仙台市内で行われた凱旋パレードは記憶にも新しい。式典では元プロ野球選手の佐々木主浩、ノーベル化学賞の田中耕一につぐ3人目の宮城県民栄誉賞を受賞した。
その荒川静香がフジテレビの解説席におり、そして全国の視聴者がテレビに釘付けで見守る中、二人の日本選手が金、銀のメダルに輝いた。SPで2位につけた安藤美姫は翌日のフリーでは最終滑走者だった。さぞかし緊張したであろうに、見事なすべりを見せて、金メダルを獲得した。前日は5位に甘んじた浅田真央は、フリーでは過去最高の点数をつけ銀メダルに輝いた。
このとき、テレビの視聴率は56パーセントを超えたと言う。金、銀のメダルを手にした表彰台の二人は涙に溢れていた。それは嬉し泣きか、それとも悔し泣きか。後のコメントによれば、安藤美姫は昨年のトリノ五輪15位に甘んじた悔しさを見事に晴らした嬉し泣きと見てよいだろう。
一方の浅田真央は16歳の若さながら、優勝候補筆頭と目されていただけに、無念の悔し泣きであろうか。演技を終えたあと、トイレに駆け込み思い切り泣いたそうだ。泣くときは徹底して泣くのが良いと思う。ここ2年不調で苦しんだ安藤美姫が最後のジャンプを成功させた際、フジテレビの解説席にいた荒川は感極まり泣いてしまったそうだ。
幼い頃、三益愛子と松島とも子の母物映画でよく泣かされたオッチャンも、思わず貰い泣きしてしまった、という次第也。惜しくも5位となった中野由加里や出場のかなわなかった村主章枝も、巻き返しの気持ちを強く持ったにちがいない。かくして、日本女子フィギュアスケート陣の裾野は益々充実し、競技レベルも向上することであろう。また、男子も高橋が久々の銀メダルに輝いた。これも期待の持てるところである。
選抜高校野球 = 初出場 県立室戸高校 強豪・報徳学園に勝つ
3月23日、全国から選ばれた32校が参加し第79回選抜高校野球が始まった。今年もまた、一心不乱にプレーする選手たちの躍動する姿が見られるのは、まことに嬉しいことだ。ちょっと前までは、毎年のように出場する強豪チームが勝つのが当たり前だった。今はそれが一変した。万年一回戦ボーイだった北国・北海道の高校が連覇する時代となった。昨年の八重山商工のように沖縄の小島からの県立高校の躍進も目覚しい。
本大会前半戦から、心に残ったチームとその試合を一つ取り上げたい。
高校野球は何が起きるか分らない。近畿大会で優勝した兵庫の報徳学園。甲子園では常連で、今大会も優勝候補の筆頭だった。野球などスポーツの名門校が、高知県の東部、太平洋につきでた猟師町・室戸からやってきた田舎の高校に1回戦で敗れた。
今大会屈指の左腕、近田。昨秋の近畿大会決勝で強打・大阪桐蔭を2安打に抑え込み、優勝の原動力になった。その時、相手チームの主軸・中田選手に打たれた本塁打が忘れられない。「最大のライバル」と位置づけ、甲子園での再戦に意欲を燃やしていたという。
だが再戦は実現しなかった。その前に、四国大会では準決勝どまりだった高知・室戸高校に早々と敗れ去った。初めての甲子園だ。その雰囲気にのまれてしまった面もある。「相手投手の方が一球一球に対する思いが強かった。気迫で負けてしまった」と振り返る。
小学2年で野球を始め、中学時代は世界大会の日本代表にも選ばれた選手だ。失点した直後、チーム唯一の長打を放って1点を返す意地も見せた。だが、負けた。「生まれ変わった気持ちで夏に臨みたい」と話していた。実力ある者必ずしも勝たず。おのれ1人のみでも勝てない。原点に戻って、純粋な気持ちで復活することを期待したい。
一方25日、春夏を通じて甲子園初出場の室戸は、優勝候補筆頭にも挙げられていた報徳学園を2―1で破り、グラウンドで喜びを爆発させた。三塁側アルプス席は、「室戸を甲子園に出場させ、町をもう一度明るい話題で盛り上げよう」という10年越しの願いをかなえた住民らによる大応援団などで埋まり、選手を元気づけた。市民が大移動した室戸の街中は静寂に包まれたようだが、テレビ応援の会場では熱い応援が繰り広げられた。
この日、後援会は室戸からバス40台、高知からは7台を用意し甲子園に詰めかけた。それ以外にも市民や関西在住者らが加わり、約5500人収容の三塁側アルプス席は埋め尽くされた。報徳学園は甲子園から5キロほどの距離にある。この一塁側アルプス席をしのぐほどの「大応援団」となった。
この勢いに乗った室戸高校は大会第7日(29日)に宇部商と対戦し、4-1で破り8強へと進出した。
室戸市は、高知市の東方78キロに位置する。太平洋にV字形に突出しており、日本八景の室戸岬が中心である。人口は1万9千人を切り、年々減少する一方である。約80パーセントを森林が占め、気候は年間を通じて温暖だ。これを機会に室戸を訪れるのも一考かも知れない。
高知県室戸市の概要 ←室戸市の情報は、これで完璧
いつもながら投打に守備に走塁に、無心に取り組む若人たちの姿は見ていても気持ちのよいものである。この第3日目、兵庫の市川高校が福島の聖光学園に2対1で辛勝した。試合が終わると勝ったチームの監督にアナウンサーがインタビューするのが慣わしである。
この試合では市川の監督に、いつものようにアナウンサーがインタビューした。普通、高校野球の監督の話すことは決まっている。まず相手チームをほめる。決して自分の作戦が成功したなどとは言わない。つぎに「子どもたちがよく頑張ってくれた」。「地元の皆さんのご支援おかげです」などと言う。
ところが、この市川高校の監督は言葉をかけられても声が出ない。そして、突然どっと涙に溢れたのだ。オッチャンには、当初それが何を意味するものなのか、とっさには理解できなかった。初出場で初勝利に感激したのであろうか。いつも冷静な高校野球の監督がそのようなことはあるまい。
ふと思い出したのが、市川高校の不祥事である。「二年生の野球部員の一人が同月(3月)に喫煙し、このため野球部長が辞任した」「この部員が今大会登録外の選手だったため、応急処置として今大会への出場が認められた」という事実である。思わず流したこの監督の涙は、幸いにも出場を許され、そして勝利したことに感極まったものと推察される。昨年連覇を狙った駒大苫小牧は同じようなことで出場を辞退した。
多数の選手たちの無心の努力が霧消しないよう、選手のみにとどまらず高校生一人ひとりの日頃の行動が大切である。若き時代は二度とこない。まして喫煙などに良いことは何も無い。どうか、純真な心のままに高校生活を過ごされることを、オッチャンは心より望んでいる。