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****少子・高齢化  数字で見た鎌ケ谷市****


  6月30日の新聞報道によると、日本の老年人口(65歳以上)の割合が21.0%で世界最高になる一方、年少人口(15歳未満)は13.6%で最低となったことが、総務省が公表した2005年の国勢調査の集計結果で明らかになった。
 少子・高齢化が、世界でも最も深刻な状態となっている現状が浮かびあがったわけである。日本の総人口1億2776万人の内訳は、年少人口1740万人、15〜64歳の生産年齢人口8337万人、老年人口は2682万人である。(合計人数が合わないが、新聞の記事をそのまま引用した)

  2000年の前回調査に比べて老年人口は481万人の大幅増、年少人口は107万人の減少である。老齢人口は85年調査で始めて10%を超えて以来、20年間で10ポイント以上も上昇した。

  2000年現在では、日本人の平均寿命は男性が77.64歳、女性が84.62歳である。ともに世界最高である。男女ともに年々伸びて結構なようにも思えるが、そうともいえない事実がある。医療技術の進歩によって寝たきりのままで、ただただ生き延びている人の多いことである。誰しも「死ぬときはポックリと死にたい」と望んでいるようだが、現実はそのようにいかないようである。ポックリ亡くなる人はほんの一握りにすぎない。

  元気で過ごせる「健康年齢」というものがある。日本人は男性で71.9歳、女性では77.2歳だ。これも世界一という。寿命は伸びたものの、それでも男性で5.7年、女性では7.4年は不健康な病の床に伏す生活を強いられるわけだ。
  平成17.3.31現在における当鎌ケ谷市の高齢化率を市の統計から調べてみた。65歳以上の人口は18,631人で全人口比18.0%となる。全国平均からみれば未だ若い都市に属する感じだ。だが、これで安心したら大間違いだ。平成13年度から16年度への高齢化率をみれば、13パーセント台から16%台へと確実に増加し、17年度には18%となった事実をよくよく見つめる必要がある。18年度には限りなく20%台へと近づいているかも知れない。
 
 17年度を年齢別にみると74歳までは男女ほぼ同数だが、75歳を過ぎると圧倒的に女性の生存者が多くなる。100歳以上では男性はゼロだが、女性は9人いる。ただ女性の場合は、非健康であっても命だけは永らえる傾向がみられるようだ。だから、長生き必ずしも良いともいえない気がする。
 
  少し不見識な言い方をすれば、オッチャンの義理の母は今年90歳になる。全盲で何一つ自分で出きるわけでもなく、殆んど一日中寝たきりである。しかし床ずれが起きるわけでもない。まったく不思議な人なのである。歩くことは勿論一歩たりともできない。筋肉が弱っているから赤ん坊のようなハイハイすらもできない。それでも食事はできるから生命が途切れることはない。しかしこのような事実は確実に家族の負担を増す。まさに老老介護を実践している。若いほうの老人が、先に参ってしまいそうなのが現実なのである。

当市の年少人口(15歳未満)はどうか。これがまた驚いた数字となった。14,304人しかいないのである。まぁ、何とか全国平均の13.6%並みの13.8%に収まったとはいえ、0〜4歳、5〜9歳、10〜14歳のそれぞれの段階で4,600人台から4,800人台しかいないのでは、この先益々高齢化に拍車がかかるだろう。少子・高齢化は当然ながら将来に大きな問題を投げかけるものである。
  当市の場合、ここ数年にわたって人口がまったく増加していない、という現実がある。毎月統計に出てくる数字は103,000人を二桁増減する程度である。

  市内に家が建っていないわけではない。大きなマンションや建売住宅もあちこちで建設されている。数字を見ていない人は、鎌ケ谷も発展している。そのように仰る。しかし市内をよくみると、空き家があちこちに見受けられる。平屋や古い家屋には人がすんでいないことが多い。またリストラや倒産などのためか、新しい家でも空き家のままに放置されていたりする。マンションは出来たが、業者の倒産で全然入居していないケースも見受けられる。

  当市の人口は平成8年に10万人を超えた。市勢一覧からみると、東葛地区の中核都市として益々の発展が期待されると華々しく記されている。6年経って、平成14年9月にやっと103,000人を超えた。それからは一進一退しているのが実態である。10年近く経った平成17年末の人口は103,550人である。この10年で僅か3,000人しか増えていないのである。ここ3年間では人口に変化がない。見かけ上で家は確かに建設されている。それを裏づけるデータがある。

  平成14年1月の世帯数は36,146であるが、平成17年末では37,695となっている。1,549世帯の増加である。これが新築住宅戸数と一致するか否かは調べていないが、転入と転出の世帯数と人数の実数値の経過は、つぎのようになっており、世帯数は確かに増加している。



世帯数 人 数
転入 転出 増減 転入 転出 増減
14年  2958 2276 682 5813 5781 32
15年 3150 2564 586 5987 6256 △269
16年  2946 2204 742 5719 5575 144
17年 2897 2226 671 5438 5540 △102


                                   (鎌ケ谷市のホームページより抜粋したもの)


 世帯数は増加したが、それに伴う世帯人数はむしろ減少している。これは核家族化が進んだという説明になるのだろうか。市内での新生児の出生数は、14年の990から年々減少を続け17年には898人と100人近く減った。一方高齢者の増加から死亡数は年々増加している。出生数と死亡数の差が自然増だが、これが年々縮まり人口の増加に繋がらない原因の一つとも言える。
  婚姻数は年間550組前後、離婚数は220件程度でほぼ変わっていない。人口1,000人あたりの出生数は14年の9.6人から17年は8.7人と確実に減少している。こんなところにも、一人の女性が産む子どもの数の減り具合が明らかにされる。

  数字はウソをつかないものだ。国民年金受給者が年々増加している。これなどは、ある意味で個人商店の廃業か店主の高齢化を示すものであろうし、退職者の国民健康保険への加入者も年々増加。介護保険の要介護認定者は65歳以上も、75歳以上も増加する一方だ。医療費も高齢者自身の負担額が増えてきた。


 
  振り返ってわがマンションの住民をみれば、65歳以上の高齢者が多い。一人住まいの家も増えてきた。それぞれが支え合わぬと、ある日突然の孤独死もある。マンションから抜けた人のあとには、若い夫婦が入居してくる。その中間が少ないようだ。管理組合も自由時間の取れる年寄りが中心である。
  竣工検査でおっかなビックリ高い足場に登らねばならない。保険はかけたが、落ちてはいけない。せいぜい、ゆっくりと検査させてもらうとしよう。

(C.W)