今日の日記。(5月25日) アカシアの花が満開だ。甘い香りが体にしみ込こんでくるみたいだ。 今日は電気代の支払いに行こう。海水浴場の向こう側に農業銀行の支店がある。「代行収」と書いてあ る窓口があったから請求書とお金を差し出す。コンピューターでぽんぽんと操作して領収書とお釣りを 返してくれた。簡単だ。何もしゃべらなくて済んだ。「電気代を払いたいんですけど」ぐらいは言いた かったなー。それにしても電気代が高いなあ。313元だって。一ヶ月千元で暮らそうと思っていたのに、早くも破綻 だ。 お昼までにはまだ間があるから浜辺を歩く。家族連れやアベックが砂浜に座っている。邪魔にならないように少し離れて腰を下ろす。 海はいいなあ、いつ見ても。風がないから沖のほうが霞んでる。波もない。海がこんなに静かでいいのかなあ。 来た、来た。若いカップルが近づいて来たぞ。 「ちょっとお伺いしますが」 あんまり丁寧なことばを使うと、かえってわからないよ。 「私は中国人じゃないよ」 と言うと、なーんだという顔をして笑い出した。 「でも。どこへ行きたいの?」 「ジャンチャオ」 ん?聞いたことのある単語だなあ。何だっけ。うーん。あ、そうか。桟橋だ。忘れちゃだめだな。青島のシンボルだ。 「桟橋はこの岬の向こうだよ」 砂に地図を書いてやる。 「この岬の向こう側がこうなっていて、ここに桟橋があるんだ。バスもあるよ」 「ここが今いるところですね」 「そうだよ。あそこに魯迅公園の入り口が見えるだろ。ぶらぶら歩いていけば岬の向こう側に出られるよ」 「ありがとう」 別れ際に女の子が、 「中国語上手ですよ」 と、お世辞を言ってくれた。ありがと、ありがと、もっとうまくなるからね。もう無理か。 でも、日本人が中国人に道を教えたんだからな。すごいなー。自画自賛だ。 どっこいしょ(立ち上がる)。 お、小学生の遠足だ。子供はいいなあ。みんな王子様だ。 おっと、足元に気をつけないと。砂の彫刻が並んでる。ただの遠足じゃないんだな。大きなカニさんだ。1メートルもあるよ。亀さんもある。甲羅が丁寧に作ってあって本物みたいだ。あれはピラミッドだ。こっちは竜宮城かな?みんなうまいぞ。 子供たちはこんなに上手なのに、どうして大人たちはもの作りがへたなのかなあ。おっと、ごめん、ごめん。悪口言ってごめんね。 でも、ほんとなんだよ。 青島市 足立吉弘
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