中国吉林事情(2)



 4 食事はどうですか?

 普段の私は大学に通っていますので、朝食は朝市で主に5元(日本円で75円)のワンタン、又は6元(90円)の水餃子とお粥で、昼食は大学の中国人学生食堂で蓋飯( ご飯の上に肉や野菜をのせた、どんぶり物)、6元から7.5元(90から120円)などを食べています。夕飯は自分でご飯(米は1キロ55円位)を炊いてキムチなどをおかずにしています。

 街には小さな食堂から大きなレストランとホテルまで様々な専門料理店がありますが、単身の私は米線(米粉でつくった麺で「ミィシエン」という)か土豆粉(「トゥドウフェン」というジャガイモの粉でつくった麺)、冷麺(朝鮮半島の麺)を時々外食する程度です。中国の料理は総じて脂っこく私の好みではありませんが、美味しいと感じる料理も偶にあります。 

 旅行中の日本人が外国で寿司やラーメン、みそ汁が食べたくなると言うことを聞いたことがありますが、私の場合は刺身が食べたいと思うことが偶にありますが、吉林 は海から離れているため海産物はなかなか食べる機会がありませんし、食べても美味しくありませんので諦めています。

 肉については牛肉は美味しくて良い肉はない、と言っても良いでしょう。豚肉も鶏肉も日本のものと比べると劣りますが、その分値段が10元(100日本円:以下円で表します)/500g位で安いと言えます。更に羊肉が手軽に手に入り、値段は13〜17元(195〜255円)/500g位、牛肉と同じ位です。また日本ではまず売っていない犬の肉である狗肉(ゴウロウ)は至る所で売られ、専門の食堂も沢山あります。犬肉は冬に食べると体が温まると言われ、朝鮮族の人が好んで食するようですが、漢族の人には好きな人はいないようです。中年の韓国人留学生が「あれは美味しい」と言っていた時、若い韓国人留学生達がイヤな顔をしていたことがありましたし、モンゴル人留学生は「犬を食べるなんて、とても考えられない」と言っていました。私も犬肉を食べたいと思いませんが、3年前吉林市の東隣にある朝鮮族自治州の延吉市で食べ た鍋は美味しかったです。

吉林光明新村秋集会 三亜路朝市と結婚式のオープンカー


 5 喫茶店はどう?

  吉林に来た時はコーヒーショップが見つかりませんでした。
 マクドナルドとケンタッキー・フライドチキンは都市に行けばどこにでもあり、吉林でも直ぐ目に飛び込んできます。アメリカ資本の力を感じます。勿論アメリカ人がいるわけではありません。中国人の手により賄われていますが、基本的な売り方、形式は日本にあるものと同じです。私はわざわざ入って食べることはしません。待ち合わせをしたり、時間待ちする時に仕方なく使用したことがありましたが、どこも食べ物も飲み物も決して美味しくはありません。

 いつも行くプールの二軒隣のビルは、吉林市では一番大きな本屋「江南書城」で、その最上階の4階には画廊とコーヒーショップがあり、どちらもしゃれていると思います。コーヒーはブラックが25元(375円)で味は決して美味しいとは言えませんが、私は値段からしては仕方がないと思っています。このコーヒーショップでは他の店では出ない水がグラスに入って出ます。その水にはレモンがすう数滴入っています。

 普通レストランなどでは水は、ペットボトル入りを買わなければなりません。吉林には数えるほどしかなかったコーヒーショップですが老舗の「七歩庄園はコーヒーだけでもアメリカン、モカ、マンデリン、キリマンジャロ、エスプレッソ、ウィンナーコーヒー、ブルーマウンテンなどと豊富でBGMも静かで雰囲気も良いと言えます。この店のウェートレスの一人は日本語を勉強したのだけれど活用する機会がこれまでなかったと言っていました。

 普段私は日本から持ってきた豆でカリタで入れてコーヒーを飲んでいますので、わざわざコーヒーショップに行く必要がないのですが、街にコーヒーショップが少ないのは違和感を感じてしまいます。それは長い間育った街の環境がそう感じさせるのでしょう。学生時代の神田神保町には「ラドリオ」とか「ミロンガ」、お茶の水には「田園」、「ルノアール」などがありましたので、吉林に来て喫茶店と呼べるものが見当たらなく戸惑いました。
大きな都市にはスターバックスがありますが、吉林には今は未だありません。
中国では上海、北京など大都会以外ではコーヒーを飲む習慣が定着していないようです。


 6 週末の過ごし方は?

 以前は家にいて漢語の予習復習、TVでスポーツ観戦、映画鑑賞、偶に街の中心街に出て買い物(普段、食料品は朝市又は近くのスーパーを利用)をしていました。DVD店で日中の新作を捜すこともあります。
また歩いて5・6分の所にあるプールで泳ぎ、そこの風呂に入るのは楽しみの一つでもあります。入館料は時間制限なし風呂付遊泳で10回の回数券で170元(2550円)ですので1回225円です。

 咋年の3月に中国人の知り合いのそのまた知り合いの人からハイキングクラブを紹介されました。日本の毎日新聞旅行“まいたびjp”の「日本の山旅」の吉林市版と言ったところでしょう。ハイキングは「戸外活動」と言い、登山用品店にガイドリーダーがいて、受付からバス手配、同行ガイドをします。その活動の大半は登山ですが、旅行に近いものもあります。参加者は電話またはインターネットで申し込みし、当日の集合時間に集合場所に集います。時には山から下りてきて地元の食堂で参加者全員割り勘で食事をすることもあります。

 日帰りや宿泊とコースメニューはその「戸外」によって異なっていますが豊富です。内モンゴルの草原や砂丘のほかチベット高原などの遠方への「戸外活動」もありす。
今年になってから私は宿泊の3回を含めて、11回の活動に参加していて、顔なじみにになった方が増えています。これまで大抵誰かが胡瓜や肉や肉まんやゆで卵、果物など持参した食品をわけて下さっています。私的な戸外活動に誘われお酒を頂いたこともありますが、山の中での酒盛りは嬉しくありませんが、断われきれなくて飲んでいます。

戸外活動で山に登ったハイキング仲間


 私の主観的な見方でしょうが、これまで行った中国の他の地方都市より吉林は@.人が穏やか A.空気がきれい B.水が豊富できれい C景色が良い D.地震や洪水など災害 がほとんど無い E.物価が安い F治安が良い G.雰囲気が都会化されていない(田舎っぽい、ことでもありますが) H.際立った観光地が無いので比較的静か(マイナス 面でもありますが) I.市内はバスが縦横に走っていて移動に便利 J.夏が涼しい、などです。

 欠点は何よりも@冬が寒いことです。12月から1月にかけては最低気温がマイナス20度から35度位までになります。都市の住宅には暖かい湯が暖房として送られます ので室内はいつも暖かいのですが屋外は路面が凍るので歩行に注意が必要です。主要道路は除雪されますが、車もスリップするので危険です。

 A都市として発展速度が遅いとも言え、日本語教師として日本から来た人はこぞって「遊ぶ所がなくつまらない」と言う人が多かったのですが、私にとっては彼らの言 うことが未だに理解できていません。何処で何をして遊びたいのか尋ねると、お茶を飲んだり食べたり見たり聞いたりを街中にそれを求めていたようでした。日本の都 市を知る若者にとって吉林は退屈な都市なのかもしれません。しかし高層ビルの建設は郊外に広がりながら進んでおり、馬やロバに引かせる荷車も良く見かけますが乗用車は確実に増えており、通勤時刻と土日の幹線道路の混みようは度を増しています。また街の中心にあるデパートの高級品の時計、皮服や宝石、化粧品、靴は豊富に あり、客層も私でさえ金持ちだと一目見て判る人が多くなっています。

 B環境保護とモラルの市民意識が未だ十分醸成されていないように感じます。
唾を吐くのとゴミのポイ捨て行為が減っていません。バスの乗車で並ぶことをしませんし、車も混むと我先に割り込んだり、対向車線を走ろうとして更に混雑させるこ とが多く、マナーの教育不足を感じます。何処ででも携帯電話で大声で話したり、音楽を流します。

投稿:R.I