2012年11月3日、ガイドのカウンさんと朝ロビーで待ち合わせ、ホテル ニッコー サイゴンを午前9時30分出発。今日はミトーのメコン川クルーズだ。車で現地まで1時間30分程かかった。ホーチミン市内から郊外に出て一般道を走る。以前は道路が狭くてミトーに行くのに2時間30分ほどかかったそうだが、道路の整備が出来て随分便利になったようだ。 ミトーに向かう途中に、色々とベトナム南部の農村風景や現地の人々の生活風景を見るのも楽しい。
ミトーに到着すると、メコン川から川の中州に向かう、観光船の船着き場がある。ガイドさんと一緒に観光船に乗って(この時も乗客はガイトを含め3名の貸切状態だった。)中州に向かう。川面は茶色に濁った大河である。説明によればこのメコン川は川幅が3Kmほどあり河岸から1Kmで中州の横幅が1Km、中州の反対側から向こうの河岸まで1Kmと、けた違いに大きな川だ。観光船で中州に向かっているとたくさんの貨物船や小型の船が行き交う。観光船に乗ってると親子で船を操舵している船員(子ども)からヤシの実ジュースがサービスで提供された。飲んでみると少し甘ったるく、むろんジュース自体は冷えていないので美味しさも今一つという感じ。河岸から20分ほどで中州(タイソン島)に到着した。 中州に渡ると、小さなお土産品店が沢山並んでいる。その中で一つのお店に入った。ここでは蜂蜜入りのお茶がふるまわれた。その後店員の方から色々とお土産を勧められたが、結局ヤシの実から作ったお菓子を購入した。値段は大した金額ではなかったが沢山買うほどの商品でもなかったので、お土産用に少し購入した。このお店を出て、またお土産物店の並ぶ通路を行くと、結構多くの観光客が来ていて通路も人でいっぱいだ。この中州の中央部でまた一休み、ガイドさんが案内してくれたテーブルに座っているとこの店の店員が、勝手にお皿に盛った果物を持ってくるではないか?ガイドさんが進めるので少しいろんな種類の南国の果物を食べてみた、その内ガイドさんが立ち上がっていなくなり、その間にこのお店の他のテーブルで歌と踊りをしていた家族連れの人たちがやってきて、これもまた勝手に歌と踊りを始めだした。演技が終わると何か買わないかと勧められるが、先ほどのお店でお土産は購入したので、さらに買う気はなく断ると今度は、踊りを踊ったのだからチップを出してくれとねだる。特に子供を出しに謝礼を求められると断りにくい。日本人の感覚からすれば100円を一人一人に支払っても別に大した金額ではないのだが、こちらでは何せ10000ドン=40円の為替相場である。これは大金であろう。子どもに一人づつ渡すよりは親にまとめて500円硬貨をチップとして渡して、早々にこの店を引き払った。
中州をでガイドさんを探していると、ようやく見つかって合流。たぶんこのガイドさんも観光客をこの店に案内する事によって、いくばくかの観光客案内に対するバックマージンをもらっているのかも知れない。これは何もベトナムだけでなくヨーロッパに行っても、観光客は必ず提携するお店に連れて行かれる。 さて、ガイドさんの案内で、中州にある観光用小舟の乗り場でしばらく待って、ようやく順番が来たので船着き場の階段を下りて小舟に乗船する。船着き場から狭い川を小舟で進んでいく。小舟の漕ぎ手は男性の船頭さんと若い女性(夫婦)が舳先で行き交う船とぶつからないように櫂を器用に操り約1Kmほどの川を移動する。川の両岸は熱帯の樹木が川面に覆いかぶさり何かジャングルを探検しているような感じだった。この川幅は狭く二隻の小舟がやっとすれ違えるほどの川幅である。それに、この時期観光客も増えているのでメコン川に向かう小舟には大勢観光客が乗っているが、向こうから戻ってくる小舟には船頭と舳先にのる人だけである。 この小舟には船頭の2名と乗客3名が乗船して、この中州のメコン川に接する船着き場に向かった。乗船時間は15分ほどだったかようやく船着き場について、既に3隻並んで停泊している船の舳先を渡り、一番奥の先ほど対岸からわたってきた観光船に乗り移る。その間、我々を乗せてくれた若夫婦の小舟は先ほど出発した島の船着き場に戻っていった。
ミトーのメコン川クルーズが終わると、昼食近くの時間帯。ここから程遠くない国道わきに、往路で見た大きなレストランが目についたが、今日はこの店で昼食をとる事となった。このお店の感じは店内が開放的で、店内のテーブルから広くきれいな庭園が良く見える。このお店では川魚料理がメインディッシュで名物はエレファントイヤー・フィッシュとグレートボールだ。これも少し説明をしなければどんなものかわからない。 メコン川に生息する川魚で像耳魚(エレファントイヤー・フィッシュ)という。結構大きな魚で30cm〜40cm程の大きさか、こちらではフライにして食べる様で、淡白な味でこれに用意されたソース(調味料)を付けて食べる。二人で食べたが全部はさすがに食べきれなかった。 一緒に出された、生春巻きはさすがにベトナム名物でおいしかった。更にチャーハンとスープも出たがボリュームもあって少しいただいたが、大半を食べ残してしまった。我々の様に戦後食糧難で困窮した世代には、この様な贅沢は何か悪い事でもしているようで気が引ける。 ミトーからまた1時間半近くかけてホーチミン市内に戻る。途中、ガイドのカウンさんと話をしたが、彼はあと3ヶ月すると赤ちゃんが誕生するそうだ。前にも書いたようにベトナムでは中国の様な2人っ子政策があって、2人以上子どもを作ると罰金があるそうだ。そのためかベトナムでは男子を望む傾向があって、妊娠をして早い段階で男女の性別を判別する事はできるが、医者は性別を教えないようにしているそうだ。
ホーチミン市内に入ると、ちょうど夕食に近い時間で、そのまま市内のレストラン「ブルージンジャー」でベトナム料理を頂く事となった。日本人にとっては味も日本人好みで食べやすい。今晩の夕食のメニューは生春巻き、海鮮鍋、チャーハン、南国の果物、ジャスミン茶だったが料理の量が多すぎて、我々の様な高齢者には食べきれない。その後ホテルに戻って最後の宿泊。 夕食を済ませて、自室でくつろいでいるとドアのチャイムが鳴るではないか?どうしたのかとドアの覗き小窓から廊下を見るとホテルのシェフが立っているではないか!ドアを開けるとそのシェフがテーブルに乗せたケーキを示して、今日は私の誕生日なのでそれを祝してケーキをお届けに来たととのサプライズであった。なかなか、心憎い演出をしてくれるものだ。ホテルのご厚意に甘んじて誕生ケーキを家内と分けていただいた。
明日は、ホーチミン市内を自由行動である。家内は事前に旅ガイドでこことここに行きたいと調べておいたので、それに従って行動する予定だ。 |