2008年7月17日から1泊2日の旅で、新潟県の岩室温泉に出かけた。
年金生活で暮らす我々は、旅館の宿泊料金が夏休み前で上がらない内に温泉に行きたいと思い、今まで余り行った事がない新潟へ旅をすることにした。新潟はお酒と日本海の新鮮なお魚、へぎ蕎麦を是非、賞味したいと思ってこの地を選んだ。

 旅行経路:新潟の燕三条(新幹線)→レンターカー→新潟県庁近くのお蕎麦屋「越後稲荷町小嶋屋 新潟店」(美味しいへぎ蕎麦)→北方文化博物館「豪農の館」→日本海沿いに国道402号線を南下→岩室温泉「館の湯」宿泊→角田浜「カーブドッチワイナリー」地元産ワイン購入→弥彦神社→大河津分水路近く「日本海ブルワリー」昼食→寺泊魚市場→ひたすら国道402号線を南下→出雲崎町周辺を散策→(帰路)燕三条駅→新幹線(上野)である。

 上野から新幹線で2時間程、燕三条駅で下車して、予め予約していた駅前のレンターカーを使う。最近は最寄の駅までは列車で、そこから先は行動の自由がきくレンターで観光地を巡ることにしている。宿泊先は決めてあるが、その先の行き先は定めず行き当たりバッタリである。そうはいっても何か観光地を目指してと、まずは新潟市内に向かった。今回の旅の目的の一つである”へぎ蕎麦”を是非もう一度食べたいと思って、新潟県庁近くのお蕎麦屋「越後稲荷町小嶋屋 新潟店」へ向かった。カーナビは便利だが、いつも使っていないし、機種によって取り扱いが異なるので目的地のセットが難しい。近くに来たのだがどうしても場所が分からず新潟市内をグルグル廻るハメとなった。結局、目的のお蕎麦屋さんは国道沿いにあったのを見逃してしまったわけである。
 ”へぎ蕎麦”とは、蕎麦のつなぎに天然布海苔(ふのり)を使って打つので、やや緑がかったお蕎麦である。蕎麦の腰も強くてのどごしも良い。お蕎麦のほかに野菜や海老の天ぷらと一緒に食べると、これは絶品。新潟へ行ったら是非このお蕎麦を食される事をお薦めしたい。お腹も満腹したところで、阿賀野川沿いにある豪農の館「北方文化博物館」を目指した。車で行けば市内から30分程度で行ける場所にある。

 この豪農の館は平成12年4月に、国の登録有形文化財に登録されている。この博物館の資料によれば、江戸中期に越後の蒲原平野の西岸にある小さな集落「沢海(そうみ)」で、越後随一の大地主となった一族、伊藤家の屋敷である。今は博物館となっているが、広い庭と豪華な館に美術品、民芸品、考古資料等沢山展示してあり、見飽きない。圧巻は大広間の座敷から見る見事に手入れされた庭園であろう。

大広間の座敷 額縁に入ったような庭園 大広間の廊下から見た庭園
豪農屋敷の中庭 大広間越しに見た庭園 大広間に向かうゲスト用入り口


 また、邸内には「三楽亭」なる正三角形の書斎兼茶室がある。柱、建具、畳のほとんどが三角形や菱形の独創的な建物である。(近くには三角形の形をした木製の電話ボックスも設けられた念の入れようだ。)

 豪農の館を見学した後は、日本海沿いに国道402号線を南下、今夜の宿となる岩室温泉に向かう。途中に角田浜を過ぎてしばらく走ると越後七浦の景勝地に着く。海岸沿いの道路を少し登った当たりに灯台もあり、この辺りから見る日本海は雄大で美しい。越後七浦を過ぎて直ぐに内陸部に入り、岩室温泉に向かった。この岩室温泉は日本海に向かって稲作農地が広がり、背後には小高い多宝山(標高634m)が見える。今夜のホテル「ほてる大橋 館の湯」に到着。近くには北国街道の道標跡があって、宿場風の門構えである。

新潟 岩室温泉 
ほてる大橋 館の湯

〒953-0104 新潟県新潟市西蒲区岩室温泉

TEL:0256-82-4125(代)
URL: http://www.oohashiya.co.jp/


 客室に通されてから、夕食までの間、早速ホテル内の温泉に入った。このホテルの温泉施設は充実している。室内の大浴場、ジャグジー、サウナ風呂、露天風呂、有料ではあるが岩盤浴もできるとあって温泉好きにはたまらない。特に露天風呂が気に入って長く入浴した。夕食のご飯はさすが新潟米本当に美味しかった。多宝山も客室から直ぐ近くに見える。来年(平成21年のNHK大河ドラマ「天地の人」の舞台となる天神山城跡にも近い。

ホテルの窓から見える多宝山 来年NHK大河ドラマの舞台 ホテルの日本庭園

 翌日は、昨日通過した越後七浦、各田浜の海岸に戻り、その近くにある地元ワイナリー「カーブドッチ」に行った。ここで販売している地元産ワインを購入。試飲(有料100円)もできるが、辛口のワインで美味しかった。海岸より少し中に入ったブドウ畑や手作りパン、ソフトクリームなども販売、イタリアンレストランも併設されており、結構地元をはじめ観光客にも人気があるようだ。このワイナリーには何故か猫が多くいる。みやげ物ショップの店内にも多くの猫関連グッズがそろえてある。

日本海で海水浴中の子ども 越後七浦方面 越後七浦景勝地
地元産ワインの販売 何故かネコグッズが揃っている アイスクリームとパン工房

 ついで、岩室温泉近くの弥彦神社に向かう。万葉集にも登場する程、歴史のある神社である。広大な敷地に樹齢400~500年も経つ古木に囲まれた拝殿がある。この神社でおみくじを引いたら大吉だった。以外だったのはこの弥彦神社の直ぐ近くに弥彦競輪場があったことである。神聖な神社からもう少し離れて競輪場を作っても良かったのではないかと思われた。

弥彦神社の大鳥居 拝殿に向かう石畳 弥彦神社の拝殿

 弥彦神社参拝の後、再び国道402号線を南下して途中の大河分水路の近くのレストラン「日本海夕日ブルワリー」で昼食を食べた。地場ビールを醸造するレストランである。お料理もイタリアン風の料理で、ボリュームもありしかも料金は思ったより安く大変満足した。メニューの選択で昼食セットで飲み物がコーヒーか地場ビールをチョイス出来る。これは呑み助にはうれしいサービスである。

野菜の前菜 焼き魚のメインディッシュ ビールの醸造設備

 この後、大河分水路の橋を渡って寺泊の魚市場に向かった。魚市場の規模としては余り大きくないが、とある1軒のお店に入ってお魚を物色していると、2500円ほどで結構、岩牡蠣やイカ、海老、サザエなどが詰まった商品があったので購入して宅配してもらったが、配送料が1000円もするのは何か損をした様な感じだ。でも翌日、自宅に届いた魚のボリュウムと新鮮な味には大満足であった。

寺泊の魚市場(1) 寺泊の魚市場(2) 出雲崎の観光案内版
夏雲が見える日本海の海 カモメが休む夏の日本海 平日で人気のない海水浴場

 寺泊魚市場から、燕三条駅に戻るまでの数時間の間は、柏崎方面に向けて海岸沿いをひたすら南下、約行程の半分くらいのところ、出雲崎町で停車。遠くに見える海岸線の辺りに夏雲が立ち上り、静かな日本海沿いの漁村で、夏のひと時の風景を心に刻んだ。

 帰りは、出雲崎町から少し内陸部に入って、国道8号線を燕三条駅目指して北上し、午後3時半ごろにはレンターを返却して、帰りの新幹線に乗車。わずか3時間少しで7時過ぎには自宅に到着。本当に交通も便利になって大助かりである。

(レポート:M太郎)