レポート:TOMY 旅行の時期:H17年9月13日(火)〜15日(木)
例年5月頃は、この武家屋敷の庭に立つ樹齢100年を越える見事な枝垂れ桜や桧木内川沿いの桜を見るために、多くの観光客が立ち寄るわけであるが、この時期はさすがに秋の旅行シーズン前とあって、観光客も少なくゆっくりと武家屋敷など街並みを楽しむことが出来る。 この街並みにある武家屋敷の一つ「青柳家」を訪れた。邸内は大変広くて、いくつもの屋敷に分かれ、それぞれの室内に興味深い展示物が沢山見られた。それらの中には、武具(日本刀、なぎなた、火縄銃、槍など)や掛け軸、日本画、浮世絵、江戸時代の人形、明治維新の頃の大変興味深い写真など、その他骨董品の蓄音機や掛け時計など、一回りするだけでも小一時間以上かかってしまった。 また、この武家屋敷以外にも近くに、「河原田家」「小田野家」など一般公開している屋敷や広い庭園を散策し楽しむことが出来た。 この後、今夜の宿泊地(田沢湖畔)に向かう前に、角館市内の桧木内川沿いの土手で、しばし涼風を満喫。(春には桧木内川沿い土手に咲く2Kmに及ぶ見事な桜のトンネルを楽しむことが出来る) 国道105号線を少し戻って潟野から田沢湖に向かう。30分ほどで田沢湖畔に到着、湖畔を1周する道路を、景色を楽しみながらゆっくりとドライブ。湖畔を一周すると約40Km、丁度その週の日曜日には湖畔一周のマラソンが行われる予定であった。 途中、湖面を照らす夕日と景観のすばらしさにひかれて写真を何枚も撮る。 ほどなく、今夜宿泊するホテルに近づくが「たつこ像」が見当たらない? 良く地図を見るとホテルの丁度反対側の方向で、先ほど我々が田沢湖に入る道筋で道路の左側に西武プリンスホテルがあったが、その近くに「たつこ像」があることが分かった。しかし、夕刻も迫っていたので「たつこ像」を見るのは明日に伸ばして、ホテルでチェックインを済ませた。このホテル「ファミリーオ田沢湖」はBBタイプ(ブレックファースト・ベット)の宿で、夕食は付いていないが希望すればホテル内で食事をとることも出来る。
翌日は、ホテルの側のハーブガーデンに立ち寄る。その後湖畔を半周してようやくお目当ての「たつこの像」を見つけて、記念写真。この「たつこ姫」のいわれは、昔この地で美人と言われた「たつこ姫」がいつまでもこの美しさを保つべく、この湖で願いを賭けたところ竜に変身したとの逸話に基づいている。それにしても、田沢湖畔や周囲の山々の深い青に映えて、金色の「たつこの像」は実に綺麗である。 その後、田沢湖を後に田沢湖高原を経て立ち寄り湯のある乳頭温泉郷に向かう。 途中から、台風15号(日本海側に抜けた余波)の影響で、猛烈な雨。最初「鶴の湯」を目指したが、土砂崩れで車が通れない恐れもあるため、途中で引き返し、「妙乃湯」に向かう。少し雨脚が弱くなってきたので「妙乃湯」にある黄金色をした「妙見の露天風呂」を楽しむ。この妙乃湯は乳頭温泉郷にある温泉旅館で有るが、混浴の「妙見の湯」温泉もあり最初男性だけが2名ほど入浴していたが、途中で中年の女性陣がどっと入ってきて、もう少し温泉を楽しみたかったのだが女性陣に圧倒されて、そさくさと浴場を出るはめになった。 立ち寄り湯を楽しんだ後で、山を降りて再度、田沢湖畔を通過して次なる目的地「八幡平」に向かう。。田沢湖に続く、「宝仙湖」は、途中また雨脚が激しくなって、楽しみにしていた景色もほとんど見ることが出来なかった。玉川温泉を過ぎた頃から一時ひどかった雨も止んで、高原のドライブを楽しむことが出来た。国道341号線の「曽利の滝」を過ぎて、銭川温泉の手前から「アスピーテライン」に入って、樹海が続く高原の道路を登り、後生掛温泉を過ぎて「八幡平」標高1600m近くに登ってくると、猛烈な風雨であたりは全く視界が利かず、ただひたすら車の事故に遭わないようにソロソロと山道を進んだ。ドライブウエイの頂上付近では全く視界が利かず、県境を越えて岩手県に入った。今日は観光をあきらめて立ち寄り湯を楽しもうと次なる温泉地、御在所温泉を目指した。雨の中何とか「御在所温泉」にたどり着くが、後から観光バスが着いてどっと多くの観光客が温泉に向かったため、入浴はあきらめて昼食を摂るだけにした。雨脚が少し弱まったところで「アスピーテライン」を下り、松尾鉱山跡を右手に見て、道路を進み今夜の宿にひたすら向かった。午後2時半過ぎには「八幡平ロイヤルホテル」に到着、今日はほとんど観光は出来なかったが、ひたすら明日の天候回復を祈った。ホテルに入ってからは、早速、温泉(広い屋内と露天風呂もある)を楽しむ。 最終日(三日目)は、台風一過の快晴でラッキー! 9時前にはホテルを発って、昨日見ることが出来なかった「アスピーテライン」を反対側から、再度挑戦。高原の景観と真っ青の空を楽しみながら松尾村から「八幡平樹海ライン」を経て「八幡平」の頂上から一望出来る十和田八幡平国立公園の山々の壮大な景観を楽しむ。秋田県側の「アスピーテライン」下山途中で、「大沼」に立ちより、沼を散策するコース(一周20分ほど)を楽しむ。
「アスピーテライン」を下山して国道341号線に戻り、トロコ温泉を経て北上。このあたりは秋田の歯ごたえがあり美味な「比内地鶏」が有名である。国道341号線を更に北上して「鹿角八幡平」ICから、盛岡に当初戻る予定であったが、まだ昼前、新幹線に乗るまでにまだかなり時間が余ったので、「鹿角八幡平」ICから高速道路で、十和田湖に急遽行くことにする。高速を使えば1時間ほどで十和田湖に行けそうなので、途中スタンドで給油して一路十和田湖に向かう。「小坂」ICで降りて、一般道路(十和田大館樹海ライン)で30分ほど、十和田湖を見下ろす「発荷峠」に着く。 この日は、快晴に恵まれ紺碧の十和田湖を眼下に見てしばらくその美しさを堪能する。
その発荷峠の見晴台から車で10分ほど、湖畔のすぐ側を走る道路に沿って両側の木々に囲まれた緑のトンネルを走り抜け、十和田湖観光船が発着する地点に到着。先ほどの「発荷峠」から見たのとは、また違って湖面を間近に見ると一層その景観の美しさが感じられる。(この十和田湖は周囲が自然のままに保たれ、国内や外国の湖によく見られる、湖の周囲にホテルが立ち並ぶような観光俗化がなされていない所が救いである。)
筆者も以前来たこの十和田湖を訪れるのは、実に40年ぶりである。
車を駐車場に預けて、湖畔を散策して、あの有名な十和田湖の「乙女の像」に向かう。湖面から吹く秋風はサラッとして実に気持ち良く、「乙女の像」に至る湖畔の散策を楽しんだ。像の前で記念写真を撮した後で、昼食を摂ろうと湖畔のレストランに入った。この湖で捕れる「ひめます」はニジマスと違って小ぶりで、味も淡白である。帰るまでにまだ少し時間があったので、観光船に乗ってみたいと思ったが30分で観光できるコースは無くて、観光船の船着場に近い喫茶店に入って、コーヒーを飲むことした。サイフォンでコーヒーをたてる本格的なものである。お店のオーナーは品の良い老婦人で、”よくいらした”と地元の方言で歓迎してくれた。コーヒーが沸くしばらくの間、湖面に突き出た桟橋のテラスに置かれたイスに座って、静かな秋の湖面を見ていると心が洗われるような気持ちになった。 盛岡に戻るには、少なくとも3時間前には、十和田湖を出発しなければならないので、もう少しこの場にいたい気持ちがあったが、湖畔を後にした。十和田湖から「十和田大館樹海ライン」の途中の一般道脇に、「七滝」がある。滝の落差は60m、七段に渡って落ちる水が勢い良く滝口に流れ込んでいる。公園から鳥居を潜って滝口のすぐ側まで近づけるので、迫力のある滝の水しぶきを感じることが出来る。この「七滝」は日本の100滝に選ばれた有名な滝でもある。 この後、「小坂」ICから高速道路で盛岡に向かい、1時間弱ほどで盛岡市内に戻った。帰りは午後7時30分の新幹線、少しまだ時間が余ったので、市内で夕食を摂った後、3時間10分に及ぶ長い新幹線の座席に腰を降ろした。 この2泊三日の東北の旅は、旅費・レンターカー代・宿泊費を含めた格安旅行パックを利用したもので、宿泊施設や料理をメインにしたものではいないが、予想以上に楽しい旅であった。 |