子どもロボット工作教室Part4



 平成25年3月30日(土)と最終回となる4月20日(土)中央公民館で「子どもロボット工作教室」を開催した。

 第4回目にあたる3月30日は、前回宿題となっていたCdSセンサーを使って光の明るさに応じてモーターの回転数を制御する課題であった。
当日出席した子どもたちは、その課題を既に解決した子どももいれば、手付かず状態の子ども達もいたりで、最初に講師から宿題の回答(プログラム)とブレッドボードへの結線図(実体配線図)を書いた資料が配られて、子ども達はそれぞれ最初の時間はこの宿題を解くことに集中し、最初に実体配線図を見てブレッドボードに回路を組み立てる人や、プログロムをパソコンに入力するなど作業手順は、それぞれ異なった。

自走ロボットの走行試験
自走ロボットを組み立て中の子ども達 完成した自走ロボットを試験走行させる参加者
(マウスクリックで動画再生)

 30日は前半部分でこの宿題の課題をこなして、実際に組み立て、プログラム通りにCdSセンサーに手をかざして光を遮ると、モーターの回転が遅くなり、ついには止まる体験をすることが出来た。

前回宿題のCdsセンサーを使ったモーター制御 制御プログラムの入力

 そして、本日のメインテーマである「今後のこと」について、講師の冨澤氏から説明がなされた。
この中で、最終目的である自走ロボットを自分の手で組み立て、プログラムを書いて実際に動かしてみるまでに準備することについて、以下の説明があった。@自走ロボットの完成は4月A自分は何を作りたいのか?(アンケートで次回までに回答してもらう)B色々な部品についての基礎知識が必要になるCロボット組み立ての参考本として小林 茂氏の「Prototyping Lab」オラィリジャパンの紹介を行った。
 
 この日の作業の後半は、最終目標の自走ロボットの組み立てである。主な作業は自走ロボットのシャーシー(土台)となる薄く細長い木片=D3mmxW100mmxH300mm程の物)に、前回までに組み立てた、ギヤーボックスとタイヤの取り付けを行い、更に木片の下部には1.5V単4電池2個の直列3Vにした電池ボックスも取り付ける。そしてギヤーボックスとキャスター1個を木片に貼りつける。
 今度は木片上部にブレッドボード(電子回路を組み立てる)とArduino基盤その電源となる9V電池ボックスを両面テープで木片に貼り付ける。
一番厄介なのは、木片の先端部分2か所に切りかけを作った場所に、小さなセンサーを2個取り付ける事であった。一応時間内には自走ロボットの仮組み立ては終わったので、最終組み立てとPCからプログラムの入力およびコンパイルしたプログラムをArduino基盤へ転送する作業が次回4月20日に残っている。

CdSセンサーの実体配線図を説明する講師 自走ロボットの組み立て 部品を取り付ける様子
自走ロボット組み立て中の子ども達 ブレッドボードの回路配線も 自走ロボットの制御プログラムを説明する講師

  30日に講師からアンケート依頼された子どもたちは、回答をよこしてくれたので、その一部を紹介したい。 アンケートの回答内容:
@ 今どのようなロボットまたは自動機械に興味を持っていますか?
 ・ CNC及びそのようなコンピューターを使用した加工機
 ・ いろんなセンサーが使用されていますが、どのような仕組みで働くのか等を知りたいです。
 ・指定された時間を音で知らせる事が出来る機械など。
 ・だんだん明るくなっていったり、音量が変化したりするようなものが作れればと思います。

A   今後どのようなものを作りたいと思っていますか?
            ・指定した速さで指定した角度を曲がり障害物があると自動で避けるロボット
            ・ 壁にぶつからない車。
            ・ソーラーパネルで動くロボット。

講師が作った自走ロボットのサンプル プログラムをPCに入力する子ども 組立中に外れたセンサーの配線を修理する
自走ロボット組み立て中(1) 自走ロボット組み立て中(2) 実物を見ながら配線する子ども

 さて、今回が最終会となる第5回目のロボット工作教室は4月20日(土)PM1:00〜4:00中央公民館3階学習室3で開催した。前回の教室で残したモーターに供給する電源のリード線の半田付け行って、最終のブレッドボードの配線迄進んだ。組み立ての進捗度には各自差があるものの、講師や補助指導員の個別指導で組み立ての遅れを取り戻しながら完了させた。

 実体配線図や実物(講師の組み立てた自走ロボット)を見ながら、子供たちは熱心にブレッドボードの配線組み立てを行った。苦労したところはやはりセンサーから出ている配線をブレッドボードに接続して、プログラム通りに動くかにあった。組み立て途中でもセンサーからの配線が一部外れて、再度半田付けをやり直すなどトラブルも出たが、ようやく2時間を過ぎるころには組み立ても終わり、後はプログラムをArduino基盤に転送して、実際に電池を入れて本当に動くのか誰もが気にしたところであったが、早い人は試験走行用に準備をした模造紙の上に書いた八の字型の黒い線上を、自分で作った自走ロボットがちゃんと走るのを見てすごく喜んでいた。多少遅れはあったが全員(当日は1名が学校行事で途中参加)自走ロボットを組み立て、試験走行を確認する事が出来た。

 最終日なので、最初にこの「子どもロボット工作教室」を取材掲載してくれた地元新聞社の記者さんもご案内を差し上げていたところ、ひょっこりと顔を出されて、子供たちが自走ロボットを組み立て実際に走らせているところを見て、小学生低学年の子供でもここまで出来るとはと少し驚いていたようだ。さっそく参加者の方にも質問されたり取材をされておられた。

自走ロボット組み立て中(3) 実体配線図を見ながらブレッドボードに配線を行う 懇談会の様子

 この後、午後4時にはすべての作業を終えて、子どもロボット工作教室は無事完了することが出来た。主催者側としても小学生低学年の子供も参加していたので、途中で脱落者が出るのではと心配する点もあったのだが、そんな心配は全く無駄で参加者全員が一度も欠席することなく参加してくれた。この後は、参加者の保護者の方も含め、主催者側(講師や補助指導員)との懇談会を市役所近くのファミレス”ココス”で開催した。参加した後の感想や意見交換の場では、参加者よりこうしたロボット工作教室に参加して大変楽しかったと感想を述べてくれた。講師の冨澤氏から受講者の子供たちに子どもロボット工作教室の「修了証書」を手渡した。

 初めて市内で行った子ども向けのロボット工作教室受講者のために、今回で終了とせず、アンケートの回答にもあるように子ども達から次はこんな事をしてみたいという希望に沿った内容も含めて、当NPO法人では次のアドバンスコースも検討しているので、今回参加者の皆さんにも是非参加してほしいと伝えた。新年度に入って、また新しく「子どもロボット工作教室入門コース」を開催して新たな参加者を募集して、理科工作に興味を持つ子供たちの育成を行う支援活動を続けて行きたいと思う。
 

(レポート:S.K)