今年の夏の暑さは異常に厳しい。また、こんなに台風が来ることもなかった。今年の夏は特別だろうけれど、また、来年も同じような異常な気象状況になってしまうのだろうかと気にかかる。
今年、7月に西日本の14府県を襲った「西日本豪雨災害」は、大きな傷跡を残した。「西日本豪雨災害」による被害は、死者220人、行方不明者11名。住宅被害4万8,250戸。農林水産被害2,469億円。となっている。
今年の夏は異常気象で西日本地域に大きな豪雨被害をもたらした(写真:読売新聞より引用)
一方、猛暑の影響として、熱中症による救急搬送は昨年と比べて大きく増加している。平成29年8月6日~8月12日、5,256人(確定値)。平成30年同期間、7,079人(速報値)となっている。5月から8月12日までの搬送数では、平成29年42,288人(確定値)。平成30年78,345人(速報値)となっており、今年の暑さがどれだけ酷かったかということがわかる。
地球規模でみても、北半球での「高温」が頻発しているようだ。そんななか8月14日に、英科学雑誌ネイチャー・コミュニケーションズに「北半球で夏季の猛烈な熱波や豪雨が一段と極端になっていくとみられる。」という研究が掲載された。
「地球の気象を動かす風の主要な原動力は、北極と南の気温差だが、その差が縮小していることで風速が落ち、熱波や降雨がより長期化する。」、「気候変化の鈍化は、北極の温暖化が全地球平均の2倍以上の速度で進んでいることと関連がある。」と説明される。自然温暖化は今後5年間で人為的気候変動とほぼ同程度の影響を及ぼすという。
その結果、北米や欧州及び一部アジア地域で「極端な極端(異常)気象」が発生し、これまで以上に大きな台風や洪水、干ばつなどの災害の発生が懸念される。温暖化対策が遅々と進まないことに合わせて、自然現象がその影響と複合されることになる。
『温暖化による直接的な身体影響は感じない』と思っている人が多いだろう。例えれば「茹でカエル」の警句のように、非常に危険な状況にあるという認識がないために危機的な状態となっているにも関わらず、手遅れになってしまうことはよくある話。
これまで直接的な身体感覚として「温暖化の危険性」を感じることは少ない。日常の生活や活動の積み重ねの帰結として温室効果ガスが生じる。ここに「温暖化対策」の難しさがあるだろう。
産業部門での温暖化(低炭素化)対策効果は進んでいるものの、民生・家庭部門ではまだまだ対策余地が大きい。そうした現況を踏まえると『私たち一人一人がライフスタイルを見直していかなければならない。』ということを、今一度、大きな声で訴えるしかない。私たちは、今現在、相当に危機な局面を迎えているということを自覚し、温暖化対策への実際的な行動を実践していかなければならない。
かまらさん