春 は 萌 え 萌 え ・・・



 気持ちがウキウキと浮き立つ季節になってきた。春は「新しい○○」が似合う季節。新入学の子どもたち、新入社員のみなさん、みんな生き生きとしている。


 春の語源には幾つかあるようだ。『晴れる』雲や霧がなくなって青空が見える。冬のどんよりとした雲が晴れて青空が見えるようになった歓び。『気が晴れる』閉じ塞がっていたものが除かれ開けた状態。鬱々と内にこもっていたものがパアーと広がっていく歓び。『草木の芽が張る』野山の草木が芽吹いていく様子。桜のつぼみが日一日と大きくそして色づいていく季節。『SPRING』は、地中から多くの草木の芽が湧きだす季節という意味ということだ。

 そんな気持ちをうたう星美学園の彩姫さんの一句。『まだ幼き桜のつぼみ膨らみて 少女の如き春の幕開け』溌剌と命にあふれ輝く少女の姿が浮かんでくる。

 そして春と言えば『桜』。桜が咲くのを心待ちにする。「今日、開花宣言があったらしいね」「いやいや、あそこの桜はもう咲いているよ」と賑やかなことになっていく。そんな季節、花より団子と長八さくらもち(伊豆松崎町で作られた桜の葉の塩漬けを2枚使ったおもち)や鎌倉のひとひら餅はどうだろう。もちろん忘れていけない墨田堤の長命寺桜もち。堤の桜のしたで頬張れば、口いっぱいに春の香りが。

 桜の頃には、桜鯛・桜貝・蛤・ホタルイカ・さざえ、などなど美味しい寿司ネタが・・・。ぬる燗でちょいと一杯と太平楽に春の宵をすごすのもおつなもの。

 咲き誇る桜のにぎわいの僅かの間に浮かぶ、深い想いや来し方を巡らし、という一時も趣深い。「さまざまな事 おもひ出す 桜かな」という芭蕉の一句を。 

うむっさん