初夏の候 若者の活躍に思う                                                                             
                                                          ライター千遥
 
          



 
はや12月、一年の終わりを迎えることになった。毎日の時間が過ぎるのが早くなる。今に始まったことではないが、ここ数年とくにそのような実感がある。そして一年の最終月となる。今年もいろいろな出来事があった。広島市内での土石流による災害や御嶽山の噴火によって、多くの犠牲者が出た。これらは一律に想定外の災難と言えるものではなかったように思える。あえて言えば、危険度が高いと分かりつつ都市化を認めざるを得なかった広島市当局の甘さがあったようだし、御嶽山噴火も、その兆しがあったとの話もある。
 また、入山者がその届けを出さなかった(規定では届けを出さなくても登山はできる)ことが、捜索を困難にさせたことも言われている。結局は冬場にかかり犠牲者数名を救出することは叶わないままに、来春の再捜索を待たねばならないことになった。家族の方々には無念この上もないだろうと、ご同感の意を禁じえない。

 10月には珍しくも当市を台風が直撃した。台風18号では、我が家にも近いゴルフ練習場ネットの支柱が倒れるという被害も発生した。幸い怪我人は出なかったものの、付近の住民には近くの公営施設への「避難勧告」も行われた。。このニュースは全国紙のトップページに掲載され、鎌ケ谷市の名前を全国に知らしめる有様でもあった。
 つぎの週、台風19号は前週と同様なコースを辿った。台風来襲の当日、市当局はゴルフ場の復旧が進んでいないこともあり、付近住民へは避難勧告を飛び越して「避難指示」が出た。鎌ケ谷市は「ゆれない街」と喧伝されているが、いつ何が起きてもおかしくない。自然の猛威から身を守るためには、不断の心がけが大切であることを知らされる。想定外と受け止めずに、「想定内」のことと受け止めておくことが肝要と思われる。

 ただでも気ぜわしくなる年の瀬に、安倍総理は衆院の解散に踏み切った。与党はアベノミクス解散を唱え、この先4年間の主導権を握ろうとする。野党は「大義なき解散」と反発する。いずれにしろ判断は国民の手に委ねられている。それぞれの貴重な一票が日本の行方を左右することは間違いない。個々人にとっては僅か一票でも積み重なれば大きな力となる。心して投票に出向きたい。

 師走には、日本漢字能力検定協会による恒例の「今年の漢字一文字」が選ばれる。その前に、いまメディアに登場しているのは今年の新語・流行語を選ぶ催しがある。この行事はいつから始まったのだろうか。Wikipediaで調べてみると、つぎのように記されている。

 創始当初は、1984年に「現代用語の基礎知識」(自由国民社)の読者アンケートによりノミネートされたとある。2003年からは株式会社ユーキャンと提携し、現代用語の基礎知識「ユーキャン新語・流行語大賞」に改称されている。
 我が家でも、その昔は本棚に分厚い本がデンと鎮座して毎年買い替えする貴重な存在だったが、今やその姿を見なくなってから久しい。ついでに、過去の新語・流行語を調べてみた。すると、懐かしさとともに、随分おおくの言葉が選ばれていることが分かった。誰でもが記憶にある言葉を少し抜粋してみよう。かっこ内は、その新語・流行語の受賞者。


 1980年代では、オバタリアン(土井たか子)・ファミコン(任天堂山内社長)・サラダ記念日(俵万智)・濡れ落ち葉(樋口恵子)・オニャンコ・やるしかない(土井たか子)・くれない族・一村一品(平松大分県知事)などなど。平松知事の言葉は現在にも引き継がれ、「地産地消」と言う形で全国各地に広まっている。

 「火砕流」は、1991年の金賞(気象庁雲仙測候所)を受賞した。現在当たり前に使われている「想定内(外)」なる言葉は元リクルート社長・堀江貴文氏が2005年に受賞し、「ハニカミ王子」は今やベテランの域に達した? ゴルフの石川遼が受賞した。因みにハンカチ王子はなかった。
 そして2013年は「じぇじぇじぇ」「今でしょ」「お・も・て・な・し」「倍返し」。これらは後段に記するごとく、お堅い役所では代表的な警察署でも採用される状況にある。巷に広く使われる新語や流行語を取り入れるのも、違反や犯罪防止のためには一つの大きな知恵かも知れない。
  


 今年度そのノミネートされた50の言葉の中から、トップ10や年間大賞なるものが12月1日に決定された。先日、その新語・流行語なるもの50点を見る機会があった。ノミネートする方々と世代が違うためか、はたまた当方が世情にうといためか、全く知らない言葉も存在している。このNPO当コラム欄にお寄り下さる下さる方々は、どの程度ご存じであろうか。



 
12月1日、在京5局の民放テレビ局の番組表を見たら、3局が生放送をしていた。やくみつる氏を委員長とする選考委員会が決定した結果は、新語部門では「ダメよ〜ダメダメ」、流行語部門では「集団的自衛権」となった。トップ10は、上記図内の赤線で示した。「ダメよ〜」の受賞者は女性お笑い人気タレントの「日本エレキテル連合」。「集団的自衛権」の受賞者は不在であった。



 
9月のある日、この「ダメよ〜」に偶然触れる機会があった。確かどなたかのツイッターだったように思う。熊本県警が、お笑いコンビのギャグを利用して交通安全に活用したことを知った。熊本県警が考案した電子掲示板である。今月(9月)いっぱいまで表示予定という「飲酒運転 ダメよ〜 ダメダメ」を見て、その奇抜さとアイデアに驚いた。人気沸騰、「飲酒運転 ダメよ〜ダメダメ」。県警は県内にある道路上の電光掲示板で、流行語をもじった交通標語を次々に流して話題をさらった。
 
 短く印象に残る表現のオンパレードで、インターネット上でも人気沸騰。「ありきたりの文言ではドライバーの記憶に残らない」と発案した県警の担当者は言われる。予想以上の反響に、してやったりのご様子である。「ダメよ〜、ダメダメ」は、人気の女性お笑いコンビ「日本エレキテル連合」がコントで使っている決まり文句。テレビ番組出演をきっかけにいま大ブレーク中。県警は9月、このフレーズに乗せた飲酒運転撲滅を県内50カ所の電光掲示板で訴えた。普段は渋滞情報などを表示するものだが、あっという間にネットで写真とともに取り上げられ、全国に広まった。かく言う筆者もツイッターで流した。

 よくよく調べてみると、流行語を使ったフレーズを流すのはこれが初めてではないこともわかった。昨年夏のお盆の際には、居眠り運転による事故が増えたのをきっかけに、8月からは順次表示しており、今回が第4弾。これまでの作品は「運転中眠気 いつ休む? 今でしょ!」、「飲酒運転 その代償は 5倍返し!」、「じぇじぇ! 反射材って ピカピカ☆」などを見つけた。。

 発案したのは、県警交通企画課交通事故防止総合対策室の岸森法夫・室長補佐(44)。「運転しながらでも目に付くようなインパクトのある文言にしよう」と、当時はやっていた「今でしょ!」をもじった標語を思いついた。すると、「親しみがある」「どこで見られるのか」といった意見や問い合わせが殺到。その反響の大きさから「ワンポイントの交通教育としての効果もある」と、第2弾、第3弾と続けることになった。流行語だけでなく、「かんなしに 飛ばす運転 ふとか事故=熊本弁?」(むちゃくちゃに 飛ばす運転 大きい事故)といったフレーズも使われたとか。





  


 
民放ドラマ「半沢直樹」がヒットしたときには、「飲酒運転 その代償は 5倍返し!」。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」にあやかった「じぇじぇ! 反射材って ピカピカ☆」。


 
 
追加: 最近気になること。

 
1.北朝鮮の脅迫
 去る11月23日、北朝鮮は自国の人権侵害を非難する国連の決議採択に反発し、「未曽有の超強硬対応戦に突入する」と宣言した。日本についても「決して逃れられない」と名指しで警告。北朝鮮の国防委員会侵害を非難する国連総会第3委員会での決議採択に対して、「アメリカとその追従勢力が国連の舞台を悪用して、でっち上げた人権決議を全面拒否する」という声明を発表した。「未曽有の超強硬対応戦に突入する」などと激しく反発している。

 決議に賛成した日本については、「今のように進む日本は近くて遠い国ではなく、我々の面前で永遠に消える存在になることを覚えておかなければならない。日本は丸ごと焦土化され、水葬されなければならない。決して逃れられない」などと警告している。また、対抗措置としてすでに核実験を行う可能性を示唆している。

 拉致問題では日本側に秋波を送り平壌に呼びつけておいて、何も調査をしていないことが明白になった金正恩の独裁体制。こんな対応をしておいての、日本への脅迫とは...。呆れ返って言うべき言葉も失う。このような無法国家にはあえて付き合う必要もない。拉致問題の解決は益々難しいものとなった。

 2.韓国・朴大統領の対応
 冬のソナタがヒットし、ヨンさまブームに火がついたのは2004年頃だった。日本のオバちゃんが熱狂し、こぞって韓国を訪れた日々から早くも10年が経過した。その後テレビ界には韓流ドラマ「宮廷女官シリーズ」が続々と上陸した。しかし、このブームは2012年頃から完全にたち消えとなった。韓国内でもヒット作が生まれなかったこともある。
 同時に「従軍慰安婦」問題が急速に持ち上がり、日韓関係も冷え込んだままになっている。政府間では既に解決した筈のもの(日韓基本条約)が持ち上がったため、これが日韓関係のネックになっている。この火種となったものが朝日新聞による虚報である。朝日新聞は本年8月に、これまでの記事の誤りを認めた。しかし朴大統領は執拗にこの問題を取り上げてくる。これが自国の国民受けする点と勘違いしているようでもある。
 在米韓国人によって慰安婦像が米国内に7つも設置されている。虚報とされる70年前の出来事にこだわっていては、日韓関係は進まないだろう。

 2.習主席の仏頂面
 APECでの安倍総理に対する習主席の対応にはガックリきた。一国の代表者たる者が! あの態度は一体どういうつもりなんだろう。世界各国から首脳が集うAPECの会合。この機会を活用して、日中両国首脳間の関係を正常化する。通常は、このように考えるものではないのか。事務方が水面下で真剣に話し合いを進めた結果、相互の思惑は異なるものの、何とか表向きは合意点に辿りついた。なのに、あれが他国の首脳を処遇する態度なのか。
 その背景は分かっている。自国の国民に対するジェスチャーであることを ! 役人が賄賂社会で潤っている事実は中国人なら誰でも知っている。それを上手く活用して政敵を抹殺する。時の政権は過去にも、敵と目指すものを時勢に応じて消し去ってきた。
 
 彼らが使う一番の標的は日本だ。戦後70年になるにも関わらず、延々と抗日教育を施す。抗日記念館は全国各地に作り続ける。いまや200か所に達する。それは、政権にとって都合の悪いときには大いに活用される。抗日を活用して自己の不具合をはぐらかす。これが常とう手段だ。今回の仏頂面は、「日本への譲歩はしていない」と、国民に示すためのお芝居であることは明白。
 今回の対応(仏頂面)に関しては程度の差こそあれ、最左派と目される朝日新聞から最右派の産経新聞、そして中庸の日経新聞に至るまで厳しい批判を浴びせた。南京の虐殺記念館を訪ねても、盧溝橋の抗日記念館を訪れても、私は中国人から非難の目をあびたことはない。抗日は、「共産党政権を維持するための格好の手段」と考えている。

 日中関係の悪化に伴い中国に出かける観光客は激減している。一方、訪日する中国人はダントツの増え方である。貧富の差が激しい中国。富裕層は日本での買い物に忙しい。日本では宝石や化粧品、家電商品など高価なものを買い求めていく。いや、買い漁っていく。それは、母国で大きな富に繋がるためだ。日本近海でのサンゴの密猟なども散々あらした上で、ある日忽然と姿を消した。中国政府の差し金と考えるのは行き過ぎだろうか???

2007年7月8日に訪ねた盧溝橋の抗日記念館
   


 3.稲田朋美政調会長の発言に疑問

 「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」というものがある。自民党・維新の党・次世代の党などの議員が超党派で参拝する。安倍総理もその一人だが、中国や韓国を意識して総理に就任してからは参拝を自粛している。たが恐ろしいのは、高市早苗大臣を始めとする自民党の女性国会議員たち。右派の議員も顔負け、堂々と終戦記念日に参拝する。

 つい最近、何かの機会に、自民党の稲田政調会長が述べていたことが気にかかる。下記に示す日本軍人による「百人斬り競争」は、偽造されたものだと言う。1937年12月3日付け東京日日新聞(=現毎日新聞の前身)の記事である。「紫金山麓にて十二日浅海、鈴木?特派員發」とある。稲田氏は最右派議員として知られた存在だ。私は、南京虐殺記念館や北京や青島の抗日記念館において、自分の目で同一の写真を見ている。中国を侵略した旧日本軍ならば、やりかねないものと信じて疑わなかった。
 捏造とすれば、誰によってなされたのだろうか。軍部なのか、それとも新聞社なのか。はたまた、中国側による創作なのか。その辺の検証はなされているのだろうか。APEC開催を前に、PM2.5を完全に駆逐し青空を作り出した中国ならではの作り話なのかは、私にも分からない。(数日間に及ぶ工場の停止をとおして、APEC期間のみの青空を作り出した⇒いまや煙に包まれた元の姿に戻っている)

 戦争は、いつでも民間人を巻き込む。シリアやイスラエルでの戦いでは多くの犠牲者が出ている。当時、戦力において日本に負けていた中国軍が、ゲリラ戦術で立ち向かったと考えるのは不思議ではないと考えられる。民間人に紛れ込んだ兵士を見つけるのは容易ではない。やらなければ、やられる。その恐ろしさは並みのことではない、と想像される。その恐怖感が多くの殺害になったのではなかろうか。


野田巌少尉(右)と向井敏明少尉(左) 常州にて 佐藤(振)特派員撮影

              

  
  
抗日記念館 何処でも見られる日本軍蛮行 ? の写真
  


 来るべき新年は終戦70周年。中国側から見れば抗日戦争勝利70周年である。あちらでは盛大な祝典がいくつも計画されている。真の友好関係が築けるか否か。日中両首脳による、知恵と手腕の見せ所は間近に迫っているとも言えそうだ。(C・W)