平成25年1月のコラム

日本の政権交代で国民は何を期待するでしょうか?



 謹んで新春のお慶びを申し上げます

読者の皆さんもご家族お揃いで良き新年をお迎えになられた事と存じます。

 昨年の衆議院選挙の結果、自民党が大勝して公明党との連立で政権復帰を果たしました。衆議院でも2/3以上議席を獲得してねじれ国会の参議院で否決されても衆議院で再決すれば議案は通過する事となって、少なくとも何も決められない日本の政治の汚名はこれで返上できるようになった点は評価できると思います。

 今から3年3ヶ月前に民主党が大勝してこれで政権交代が実現。今までの自民(公明党との連立)党政権で行き詰っていたさまざまな問題も、マニフェスト通り実現してくれるものと期待していたが、政権を担って以来短期間の内に鳩山元首相、菅元首相、野田元首相と3人も日本の首相がくるくる交代する様では、国民に約束したマニフェストを守れなかった。鳩山元首相の沖縄基地県外移転対応でつまずき、菅元首相の東日本大震災時の原発事故対応に加え、野田元首相の不適切な閣僚人事指名、政権内の勢力争い、党内の分裂、最後は大量の離反者を出すはめとなり、すっかり国民も政権与党の民主党に嫌気がさして、政権交代当初は民主党政権が改革を実行してくれると期待が大きかった分、失望が今回の大敗に繋がったのではないかと思います。

 しかし、民主党最後の首相となった野田佳彦首相は、実績として子ども手当の見直し実現、2030年代の原発ゼロと脱原発方針を発表、社会保障と税の一体改革に取り組み、条件付きではあるが消費税増税(現行5%から8%→10%)の道筋をつけた事、TPP加盟の推進は道半端であるが方向性は示したなど、今までの自民党政権では出来なかった事を行ったことも評価すべき点だと思います。

 今回の選挙の特徴は、最高裁がすでに衆議院、参議院とも1票の格差について違憲判定を下しているにも関わらず、それが今回の選挙には是正が反映されず、都市部の国民にとっては大変不公平な選挙制度の下に行われたという事です。また、議員定数の削減も次の政権与党に引き継がれました。本来ならは今回の選挙結果は無効で再度、格差を是正したうえで選挙を行うべきはずですが?

 それと、選挙前から過激な発言やポピュリズム的な発言で国民の注目を集めた党首(橋下市長、石原元東京都知事)の政党が民主党への失望表を獲得して大躍進したのが「維新の会」でした。「みんなの党」も主張がぶれない事が評価されて議席数を伸ばし、民主党に迫る第三極を国会の中で位置づけました。もともとの彼らの狙いは第三極として衆議院でのキャスティングボードを握り、自党の主張を実現しようと目論んでいたのではないでしょうか?しかし、自民と公明の連立で2/3を獲得したことにより、当初の目論みと違ってきたので最近では、是々非々で判断すると党首は発言しています。

 次期政権を担う、安倍首相も選挙前の激しい民主党批判の発言や、勇ましい隣国との領土問題で国土を守るため防衛力の強化や集団的自衛権を行うための憲法改正、自衛隊を防衛軍に変えるなどの発言は、周辺国からも警戒されていますが、実際に政権を担う首相の立場になると、少し現実路線に目が向いてきた気がします。しかし、それも次の参議院選挙結果次第ではないでしょうか?安倍首相の防衛軍発言を国民レベルで考えてみると、将来自分の家族の若者が徴兵を受ける事だってあり得るわけで、我々の親たちが第二次世界大戦で300万人にも上る軍人、民間人の尊い犠牲の上に、もう二度と他国と戦争は起こさないという平和憲法制定の決断が、政治家によって覆させられる恐れだって十分に考えられるので、今度の選挙によって与党が大勝しても、国民はしっかりと政権与党の政策を注視し、見極めていく必要があると思います。

 それにしても、今回の第46回衆議院選挙の投票率が59.3%と記録的に低く、前回第45回総選挙選挙の投票率69.3%を10%も落ちるのは異例です。お隣り韓国の大統領選挙で投票率が暫定75.8%に比べても日本の投票率はかなり低くなっています。この原因として政治不信、政党乱立、似たり寄ったりの争点の欠如、12月という年末の繁忙期、一部地方で悪天候の影響などとマスコミも指摘しています。しかし、選挙権は有権者に与えられた権利であり、自分たちの生活に影響する国の政策を決める国会議員の選出権を握っているわけです。少しでも自分たちの生活を良くしたいと思うならば、与えられた選挙権を行使するのが自分の為でもあり、民意を国会に反映させる重要な選挙投票の行為です。特に経済環境が長期に悪化し続け、若者の就職難や将来に対する社会保障の不安などにより、出生率が低下を続けています。
若者たちの将来に対する不安を取り除く為に、選挙権を行使して国政に反映させるために棄権せず、もっと投票場に行ってもらいたかったと思います。
 いずれにせよ、安倍内閣の組閣も昨年末に済んで、平成25年1月から新しい政治が行われるわけですから、日本の政治の舵取りを行う安倍政権の国益を考えた隣国とのお付き合い、日本経済の成長促進、早期の大震災復興に全力で取り組んでいただきたいと思います。

 さて、最初から政治向きの感想が長くなりましたが、平成24年度の当NPO法人活動も残り3ヶ月となりました。
平成24年度事業も昨年4月から8ヶ月がすでに経過して、その間に前半6月までは主に前年度事業終了に伴う所轄所への事業活動報告と総会準備に時間を費やされましたが、6月以降は本年度に事業計画として挙げていた各種講座やセミナー開催など予定通りこなして、残り3ヶ月は@子どもロボット工作教室(鎌ケ谷市内でも初) A女性会員や市民向けの「おもてなし料理教室」の開催 B同じく女性会員と市民向けの「フラワーアレンジメント講座」を予定しています。
 また、平成24年には市の協働モデル事業として健康・福祉に関する「健康ふくしネットかまがや」ホームページの制作・運営を受託して、近く一般市民の方への情報公開を予定しています。このサイトは鎌ケ谷市のホームページとは異なり、一般市民の方にとって健康・福祉に関する情報も「わかりやすく・親しみやすい」内容の情報発信を目指しています。当初公開時はパソコン向けの情報発信となりますが、今後掲載情報も携帯電話向けも含めて、市民の皆さんのご意見も反映させた、より充実した内容にして行きたい思います。

 平成25年度は、当NPO法人が平成15年6月にNPO法人の認証を受けてから10年目となります。設立当初は発起人10名の小さなNPO法人でしたが、この10年間で会員も42名にまで増えて、毎年新しい事業なども追加して充実したNPO活動を続けています。
 地元鎌ケ谷の”まちづくり推進”を目指して、本年も積極的に取り組んでまいりますので、皆様の変わらぬご支援ご協力の程よろしくお願い申し上げます。


                平成25年1月元旦

                特定非営利活動法人 かまがや地域情報の窓
         
                          理事長 川俣 蓁