2014年 鎌ケ谷市総合防災訓練が行われる!


「障害者の防災・避難対応ボランティア」の育成を――「受けて側の要望」の明確化が必要に

 
 9月28日の日曜日に、鎌ケ谷市の総合防災訓練が市庁舎前の広場で行われました。
炊き出し、消火器、土のう作り、簡易トイレ製作など、災害時における必要な防災体験や消防機器、レスキュー隊、、自衛隊の救援資材・炊き出しが展開されていました。

総合防災訓練で開会の挨拶をする清水市長
(左の女性は手話通訳者)
鎌ケ谷市の消防はしご車

 実際の災害に遭遇した際、健常者でも混乱状態になることは、これまでの大規模災害で証明されています。
そうした中で、まったく自力では対応できない、助けを求める人々が居ます。あるいは情報過疎状態に直面する人たちが居ます。障害者、日本語に不自由な外国人です。災害時に、これらの方々への対応は重要な課題です。

 あまり目立ちませんでしたが、訓練会場では「手話」「要約筆記(耳の不自由な方に、素早く要点をホワイトボードに書いて知らせる)」「外国人通訳」などの、派遣ボランティアが活躍していました。

   
手話通訳の方(右黒服女性) 要約通訳のボランティア   消化訓練をする外国人 

 手話通訳ボランティアの方々が対応された来場者は5人。要約筆記対応は、市の障害福祉課に登録されている派遣メンバーによるもので、対象となった来場者は5人ほどのようでした。

 今回の体験訓練を生かしていく上で重要なことは、実際に体験された障害者の皆さんが「どのように思ったか」「こうしてもらいたい」という「受けて側・障害を持つ方々」の声を、行政の防災対策に取り入れていく取り組み、ネットワーク等の一層の整備が必要ではないか。

 そのためのも、今回の訓練に参加された障害者の「体験聞き取り」をサポートされた皆さんにお願いしたいものです。

 それと、現在、鎌ケ谷市には1200人弱の外国人が生活しています。中国、韓国出身者が全体の7割くらい。その他、フィリピン、ベトナム、アメリカ、ヨーロッパ出身となっています。これら日本語に不自由な外国人にとっても、防災避難に際しては、情報過疎の状態になります。住んでいる地域の「避難場所」「道筋」「避難情報通訳」など多国籍言語による手引きが必要になります。

   
煙体験コーナー 土嚢を作る少女    KIFA通訳ボランティア

 今回の総合訓練にはKIFA(鎌ケ谷市国際交流協会)が「派遣通訳ボランティア」のブースを設置し、日本語が分からない外国人も安心して参加できることを、市の広報紙を通じて事前に周知されていました。
 防災訓練に参加した外国人に英語・中国語・ハングル・ベトナム語、4カ国語の通訳が対応し、消火器・煙体験、AEDの取り扱いなどを通訳者と一緒に体験していました。

 参加した外国人は煙体験で「立ち込める煙と何も見えないことに思わず体が固まってしまった」「地震の大きな揺れを体験したことがないので、次回は地震体験車も体験できると良いと思う」など話しています。

 体験を終えた外国人は、スタッフと共にハザードマップで自宅と避難所を確認、マップに加えて多言語版 災害時非常事態カード、救急時情報カードを持ち帰りました。

 清水聖士市長は「自分のことは自分で守る」ための防災訓練を強調されましたが、「自分で守れない」人たちへの避難・防災は、行政にとっても重要課題です。「災害対応ボランティア」育成にも尽力を願いたいものです。

レポート:U・T

関連情報:

市では、災害時における避難所までの要援護者の避難支援対策について、要援護者の自助と地域(近隣)の共助を基本とし、地域の安全・安心体制を強化することを目的とした「鎌ケ谷市災害時要援護者避難支援計画の概要」をまとめ、
広く市民からの登録者を求めています。
「鎌ケ谷市災害時要援護者避難支援計画の概要及び登録台帳」(PDF8枚)リンク先

http://www.city.kamagaya.chiba.jp/sesaku/saigaijiyouengosyahinan