第13回 ぶらり鎌ケ谷街歩き 野馬土手跡を巡る


 平成25年4月13日(土)市内で行われた「ぶらり鎌ケ谷街歩き」に参加した。この行事は市内在住の方を対象としたウォーキングと市内の史跡巡りを兼ねて市民の健康づくりをサポートする、市の市民活動推進課が行う事業である。

 鎌ケ谷市内の史跡を巡りながらウォーキングするイベントも、今年で13回を迎えこの「ぶらり鎌ケ谷」も市民の健康づくりと新しい町の発見を楽しみに参加する人が多い。今回は市民の参加者と関係者を含めて23名。この参加された方は高齢者の男性・女性や30代前後の若い男性・女性も参加された。出発前にはこのウォーキングの世話役を務める地元のボランティア団体から上開地さんが代表して挨拶され、その後準備体操を行って9時30分ごろから市役所駐車場前からスタートした。

市役所で主催者側の挨拶 幼稚園の校庭に残る重野馬土手跡 市内を散策する”ぶらり鎌ケ谷”参加者

 今回の”ぶらり鎌ケ谷”は市役所の周辺で、下総小金中野牧跡の野馬土手と捕込(とっこめ)や市内にわずかに残る野馬土手跡を巡りながらウォーキングをするものであった。コースは市役所から→@新鎌ヶ谷付近いある重野馬土手→A第三中学校近くの弁財天→B入道に近い豊作稲荷神社→C北初富駅に近く光圓寺→C鎌ケ谷総合病院駐車場にわずかに残る野馬土手→D貝殻山公園北口付近の捕込「下総小金中野牧跡」→E「貝殻山公園」の中央付近馬の銅像がある場所で説明を聞いて、その後昼食→F初富交差点近くの「初富稲荷神社」→G中央公民館(鎌ヶ谷で最初の小学校跡「鎌ヶ谷小学校)記念碑の説明)と郷土資料館の記念展示「佐津間地区」を見学→H鎌ケ谷市郷土資料館で館内見学→終着点の市役所駐車場に午後3時ごろ帰着。歩いた距離は約10Km程。

豊作稲荷神社 神社境内で説明を聞く 光圓寺境内で開墾の歴史を聞く
光圓寺境内の土地紀念講碑 鎌ケ谷総合病院駐車場に残る野馬土手跡 小金中野牧跡の碑

 今回で2度目の参加となるが、”ぶらり鎌ケ谷”で説明を聞きながら、市内を歩くのも距離はさほどなくても、結構説明を聞いたりする時間もあるので、その間はずっと立ちっぱなしとなって最後の方は、結構腰に来てきつく感じた。

 毎回、主催者側の皆さんが準備のため、事前にコースを下調べして、資料を作り、また訪問先の方にも見学の事前了解を得るなど世話役は大変な仕事である。このように市民参加者の為に前もって準備をしてくださるおかげで、”ぶらり鎌ケ谷”を健康と史跡見学の両方を楽しめるのだと、関係者のみなさんに感謝申しあげたい。

 今回の散策は、野馬土手や野馬お囲い(捕込跡)を巡る街歩きなので、配布された資料に基づき、少し小金中野牧について触れておきたい。小金5牧(高田台牧、上野牧、中野牧、下野牧、印西牧)の中央部、現在の柏市、松戸市、鎌ケ谷市にまたがる広大な牧で、近くに小金御厩役所(北小金駅前)、金ヶ作人や(現常盤平さくら通り八柱付近)など役所もあった。小金御厩役所には徳川家康に仕えた綿貫重右衛門が野馬奉行として詰め、牧士数人を使って牧を管理していた。その時代に牧士として鎌ケ谷市内でも三橋家がその任を務めていたそうだ。

 野馬捕り:牧では、年に1回「野馬捕り」と呼ばれる馬を捕獲する作業を行っていた。貝殻山公園近くの「捕込」は馬を捕獲して3歳の馬とそれ以外の馬を分ける作業を行う場で、土を盛り上げて土手を作り土手を仕切りにして三つの部屋を作っていた。牧に散らばっている馬を「捕込」に追い込み捕獲する野馬捕りは見ごたえがあり、遠く江戸の方からも多くの見物客が音連れ、重要な行事であったと言われる。

                                       
※牧や捕込の情報はこの主催団内の説明資料から引用いたしました。


別世界の様な小金中野牧跡(捕込) 捕込跡を記念した馬の銅像 貝殻山公園で昼食
初富稲荷神社で初富の開墾の歴史を聞く 郷土資料館で佐津間の歴史展を見学 市内で発見された土偶

 市内にわずかに残る、野馬土手や捕込跡を巡る散策であったが、普段は全く気付かなかったところに牧の跡がこの様に残っているという事を知るだけでも、郷土の歴史を学ぶ良い機会であった。

レポート:S.K