時空を超えた中国悠久の調べ

二胡と琵琶の演奏



 平成25年2月3日(日)市総合福祉保健センター6階大会議場に於いて、鎌ケ谷市国際交流協会(KIFA )が主催する「時空を超えた中国悠久の調べ」と題して、二胡と琵琶の演奏会が中国の有名な演奏家を迎えて、演奏会が午後2時より4時まで催された。

 当日、会場に行くと既に会場には一般市民の方や国際交流協会の会員の方たちが大勢来場されていた。事務局側の発表によれば250名ほどの人が来場されたとのことである。国際交流協会の各種行事においても、今回の様な多数の市民の方たちが参加される事は余りない。それほど中国の二胡の演奏は日本人にとっても、何か心に心地よく響く古典楽器のようだ。

KIFAの長南会長の挨拶 研修部の藤井部会長挨拶

 この演奏会で二胡を演奏される、張 勇(ちょうゆう)氏は1984年中央音楽学院民族楽器科に入学、二胡の第一人者である王氏に師事され、1988年卒業、二胡のソロ演奏家として中国内外で演奏活動を展開され、1994年来日後、現在日本各地でソロコンサートを行われ、中国民族音楽の枠を超えら幅広いジャンルで活躍中の二胡奏者。

二胡演奏者の張 勇氏 お弟子さんの演奏を指揮する張 勇氏

 また琵琶を演奏される邵 容(しゃおろん)さんは、国立北京中央音楽学院卒、上海芸術祭で優秀賞を受賞され、東京芸術大学に留学され、国内外の演奏活動で、国際派中国琵琶奏者として注目されてる。

 演奏会は2部に分かれ、第一部は二胡演奏家の張 勇氏の二胡教室門下生による生演奏が、張 勇氏の指揮で中国の楽曲が9曲ほど演奏された。

指揮する張 勇氏 主に中国の曲を演奏 二胡を演奏するお弟子さん

 そして、10分ほどの休憩の後、第二部に移りいよいよお待ちかねの、張 勇氏の二胡と邵 容さんの琵琶演奏である。

張 勇氏の二胡と邵 容さんの琵琶による合奏

 演奏曲は11曲ほど、その中には日本の曲も7曲程(早春賦、おぼろ月、夜来香、蘇州夜曲、花(喜納昌吉 作)、花(滝廉太郎 作)演奏された。

張 勇氏の二胡演奏 お二人で日本の曲を合奏 琵琶を弾く邵 容(しゃおろん)さん
アンコールに応える張 勇氏 演奏会の動画 日本の琵琶とは全く違う演奏法

「おぼろ月」が演奏された時は、聴衆の皆さんも二胡と琵琶の合奏に合わせて、自然に”おぼろ月”の歌詞が口をついで歌われ、演奏者と聴衆との間に和やかなハーモニーが生まれた。

 琵琶のソロ演奏では、 邵 容さんの「十面埋伏」の曲は、琵琶の演奏がここまで多彩な音色と力強い音の響きが出るとは知らず、ただただ演奏者の素晴らしい琵琶演奏に圧倒された。

 張 勇氏の「空山鳥語」の二胡ソロ演奏は、ここまで二胡で鳥の鳴き声を真似て演奏する事が出来るのかと、聴衆を魅了していた。二胡のソロ演奏は本当に素晴らしいの一言に尽きる。最後に演奏された「賽馬」は馬が草原を走る様子を曲で表現したものであるが、実にリアルな演奏に聴衆も大きな拍手で演奏者に謝意を表した。

 この2時間に及ぶ演奏会の後、聴衆からの大きなアンコールの声と拍手で、再度演奏者のお二人は舞台に立って、「何日君再来」をアンコールに答えて演奏をしてくれた。

 現実の問題として、今中国と日本の間には日本の尖閣列島国有化に伴う領土問題で、両国の外交関係が悪くなっているが、このような市民レベルで中国の二胡や琵琶の演奏を聴く事が出来るのも、紛争が拡大することなく平和が何とか維持されているかに他ならない事を知ることも必要であり。政治家の勇ましい言葉に惑わされることなく、市民レベルでは両国の国民が冷静に、平和に交流を続けていけるように政府に対しても働かける必用がありそうだ。

 素晴らしい二胡と琵琶の演奏を堪能させていただいて、演奏者のお二人と主催者の国際交流協会の皆さんに感謝を申し上げたい。有難うございました。

(レポート:S.K)