KIFA 講演会「ニュージーランドをもっと知ろう!」


 2012年1月14日(土)、今年KIFA(鎌ケ谷市国際交流協会)が主催する講演会「ニュージーランドをもっと知ろう!」が東部学習センターのレインボーホールで開催された。

 この講演会は、KIFAの交流部会が開催し、最初に同国際交流協会の茂野会長が講演会開催の挨拶をされ、続いて司会より講演会を始める前に簡単なクイズを実施した。質問は5問程度で参加者の方たちがどの程度知っておられるのかのクイズであったが、いずれも正解率は高く参加者の多くが同国を比較的よく知っている様だった。
 今年は鎌ケ谷市が市制施行40周年の年であり、また鎌ケ谷市とニュージラーンドのワカタネ市が姉妹提携都市となって15年目に当たる年であると説明があった。

 本日のゲストは元ニュージーランド大使も務められた高橋 利弘氏で、現在は(社)日本・豪州・ニュージーランド協会理事をしておられる。高橋氏は最近定年で退職されたが、最終赴任地であるニュージーランドのホットな情報もお話しされるという事で参加者(約100名)にも講演に対する期待が高まった。

鎌ケ谷市国際交流協会の茂野会長 ニュージーランドの国旗 講演者の高橋 利弘氏
首都クライストチャーチ風景 ニュージランドについて語る元高橋大使 講演内容を一部動画で表示

 高橋氏の講演の要旨としては、以下の内容であった。
本日の講演の本題に入る前に、日本とニュージーランドの関係は意外と昔からあったと、関東大震災1923年9月1日の時にはニュージーランドから援助を受け、その答礼として1年後にニュウージーランドを日本の艦隊が訪問している。その時、市民が答礼に感激して首都ウエリントンの街の通りを東京通りと改名したといわれている。
 ニュージーランドは一般的に羊の肉が有名だが、鹿の肉も旨い。羊の肉は匂いがあって敬遠される方もあるが、生後6ヶ月以内のラム肉は匂いも殆どしないので是非食べてみて欲しい。また地元で採れるサーモンも美味しいので賞味して欲しいと紹介された。

 さて、講演の本題のテーマは4つ:
@オーストラリヤとニュージーランドの関係
 両国は兄弟国でニュージーランドの人口は430万人ほど。風光明媚な国だが稼ぐにはオーストラリヤに多くの国民が出かける。一方では観光や外国人の流入も多い。
A住み易さの秘密
 ニュージーランドは日本人が行きたい国の一つ。留学先の魅力。進んだ社会福祉制度で、ストレスがたまらない社会。宗教はキリスト教41%(英国国教教会=14%、カトリック教会=13%、長老派教会=10%、その他メソジスト、バプティストなどがある)、意外と無宗教の人も多い。これはこの国がストレスの少ない社会である事にも起因するのではないかと説明された。ただし、その分消費税は15%と日本に比べて高くなっている。
B国のあり方、注目すべき点
 ニュージーランドは平等社会であり、男女平等も進んでいる。国会議員や企業の経営者にも多くの女性が進出している。人種政策も平等であり、原住民のマオリの人達に対する差別も無い。行政改革も進んで取り組み成果を上げている。国際貢献についてもPKOで、軍隊は11000人程の中から500名ほどを世界に派遣をしている。
日本との姉妹提携都市の数は42都市にも及ぶ。
C日本にとってニュージーランドとは
 世界の大きな動きは、今や経済規模も太平洋・アジア圏に移りつつある。日本は貿易立国あり、ニュージーランドは日本にとって大切な友好国である。ニュージーランドはPKO活動でも、自国の軍隊規模は11000人ほどの中から世界各地に500名ほどを派遣している。日本もこれから少子高齢化が進む中で、外国から働き手を集める必要があるが、その際にニュージーランドで移民政策で移住者受け入れの制度は参考となる。それは点数制による移住許可制度であり、一般人は学歴や技能など多くの評価ポイントの合計値が140ポイント以上取得できれば移住が可能である。この様に公平なやり方で世界中から人材を求めている。
 今、日本でも貿易の自由化に取り組むTPP加盟の検討がなされているが、TPPの第2条に経済協力で相互に発展を目指すと大きな枠組みで貿易のあり方を目指している。ニュージーランドは日本・・・ニュージーランド・・・南米・・・アメリカ・・・日本 とそれぞれ約9000Km程離れていてひし形の形をしている。日本にとってニュージーランドを今後貿易の中継地点として活用を図るべきではないかと提言。丁度シンガポールやドバイが今や世界の貿易中継地点として発展しているようにニュージーランドもその可能性が高い。


 講演会の後の、質問時間でも参加者の方々から、ニュージーランドに関する細かな質問が出された。鎌ケ谷市民もワカタネが姉妹提携都市で毎年、両国の市民が相互交流を図っている関係から、この様にニュージーランドに対する関心が高いものと思われた。