このページは、鎌ケ谷市内に在住されデザイン関係のお仕事をされている方ですが、日常生活の中で感じたことなどをA4サイズに収まる程度の内容で「KA MA GA YA 「A4」 sketchbook 」として不定期ですが継続して投稿していただく予定です。読者の方で、この手紙を読まれて何か感想・ご意見などありましたら、遠慮なく電子メールなどで当NPO法人事務局(kais_office@kamagaya-info.com)までお便りください。読者の皆さんのお便りは、投稿者の方にお伝えしますので、ご本人への励みにもなると思います。


きまぐれ連載・・・その2

『荒唐無稽』

 奇妙なモノに出遭ってしまったのです。

それもいつも散歩する貝柄山に‥そいつは
だれにも持って行かれまいと、大事な何かを隠すように抱え込んでいたんです。

なんだか分かりませんがとにかく、奴とっては、何物にも代え難いもののようでした、意地悪をしてすこしからかってやりたくなってきました。

 そこで気付かれないように、少し離れたところから様子を覗いてやろうと静かに歩を進めて、ほぼ正面に回り込んだときでした。

偶然ですが、眼‥眼があってしまったのです。ビビリました。
それに良く見れば奴が抱えていたのは、等身大の十字架なのでした。
見てはいけないものを見てしまった恐ろしさで、鳥肌が立ちました。

 こころの中で、‘見てしまいましたが、見なかったことにしてください’と念じながら‥
不思議なことに、体が硬直し始めて意識もぼやけてくるのに、なぜか視覚だけが鮮明になって1千万画素のデジタルカメラのようにシャッターを切っていました。

 広げた両手には、ナイフか鋭いノミのようなもので深く抉られた痕跡があり、黒く変色していて、出会った人に何かを訴えるように仕組まれていたのです。
右の手に[東出入口]左の手に[出入口南]とだからどうと言うんじゃありませんが、すみませんデス。

“どうしてこうゆうふうになってしまったのか”というところに思いを馳せてみたいのです。

 道標から後ろへ1メートルぐらい離れたところに桜の木が植えられて、年月の経過とともに、山側(道標の背面)からの斜面の執拗な嫌がらせとも取れる圧力と、木の成長にともなって‘人間と同じように’頭でっかちになり自らの足で踏ん張れなくなり、
寄り掛かってしまって、現在の醜態を晒けることになったに違い無いと‥‥

 しかし、まぁ面白いと言いますか、なんか変と言うか、まるで餅みたいに伸びて、懸命にへばり付いている健気で憎めないやつです。

 公園でどなたかお見かけになりましたら、優しい声をかけてやってください。

 異見その1:「桜」カッコ良く丸い幹で居られたのに、君がじゃまをしたんだ。

 異見その2:「道標」君は俺が支えているから、なんとか立っていられるんだぜ。

 異見その3:どっちもどっち、人も(と)自然も(と)仲良くね。


                                                        ペンネーム:エト・セト・ラ