いんざい産学連携センターを訪ねて


 
 平成22年2月10日(水)、たまたま地域新聞の記者をされている方から印西市にコミュニティビジネスに関連する、産学連携の面白そうな施設があるので一緒に行ってみないかとお誘いを受けた。

 場所は、千葉ニュータウン中央駅の南側に位置し徒歩3分と駅にも近い。この辺りは印西市の開発地域として新しく住民用マンションや民間会社のビルディングなどが立ち並んでおり、また駅近くには東京電機大学のキャンパスがあって、周辺の環境も自然に恵まれ、道路も広く隣接する建物の間も広くスペースをとってあるので、まるで外国の都市の様にも感じる。


 さて、目的の「いんざい産学連携センター」を訪ねると、平屋の建物が建っている。英文名称では「INCUBATION MEETING CONSULTATION」と書き、印西市・地元企業・東京電気大学が参加した、いわゆる産学連携による起業化支援事業の拠点として、産学連携センターが2006年6月に整備され、活動を行っている。

 印西市の市報(参照)によれば、同センターの活動目的は「産官学連携による新事業創出」であり、市民や学生のビジネス化・企業化意識の醸造とともに、入居」起業や印西地区におけるベンチャー企業、そして大手企業などとの協同研究の場の提供などの活動を行っているとある。また、このような産業・事業の創出活動を推し進め、市内全域に波及させることも目的としている。

 センター内には、会議室や研修室の他、起業のための手続き、経営に関する相談や製品開発などに関する技術相談のためのの相談室も設けられている。また、市内で創業・二次創業を目指す人、新技術の大学・企業との共同開発を行うため、活動拠点として利用可能なインキュベートルームが整備されている。このインキュベートルームは10室設けられ、1室(約12u)が24,000〜27,000円/月額で利用できる。(電気・ガス・水道料金等共益費込み)

インキュベーションマネージャーの小松原進氏 いんざい産学連携センター正面入口

 訪問当日、同センターのインキュベーションマネージャーの小松原進氏より、センターの活動目的や実際に支援している活動内容などについて説明を受けた。現在同センターでは「いんざい産学連携センター交流会」を結成し、このセンターを利用する参加者と大学や企業との交流会を毎月1回行っているとのこと。氏の話では実際に起業化を企画し成功させるには、地元との人脈形成が欠かせないと言われる。
 当日も、センター内で「シーズ発表会 in いんざい」と題して新技術の発表会が行われていた。主催は独立行政法人科学技術振興寄稿JSTイノベーションサテライト茨城である。発表会参加費は無料である。そのあと行われる情報交換会参加費には別途2000円必要である。この交流会(パーティー)で参加者が自由に懇談・意見交換の場に参加、何度も顔を合わしている間に相手の人柄も理解し、相互信頼の関係ができることによって、実はここから産学連携の具体的な取り組みに繋がるのですよと小松原氏からお聞きした。

 現在、インキュベーションマネージャーの小松原進氏が進めている最適な技術、ビジネスモデルを探す活動の一環として「情報技術を活用した新しい農業ビジネス研究会」と「実践SNSコラボ研究会」の二つの事業化研究会を立ち上げられた。この研究会は毎月1回開催し、新しい製品や技術そして有望なビジネスをどのように事業化(具体化)するかを、1年区切りで研究するというものである。成功・失敗の両方を検証して最適なものを探して行きたいと話された。

 当NPO法人でも、鎌ヶ谷市内の団塊の世代の方たちや、一般市民の方がリタイヤー後も地元で何か地域の活性化に繋がる、コミュニティビジネス起業化を進めるための活動支援を行いたいと考えているが、まずは先行地域の取り組み事例など、今後数多く情報を収集して鎌ヶ谷市に適したコミュニティビジネス活動支援策を検討し、NPO法人活動だけでなく、行政や地元商工会との連携も将来的には行い、具体的実現を目指したいと考えている。

(レポート:S.K)