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**** 談合 収賄 捏造食品 まさに 美しい国 ? である ****

  2007年も明けて既に1か月が経過した。地球温暖化に関する懸念が高まる中で、今冬もまた世界各地で異常気象が観測されているという。ニューヨークでは1月上旬、平年値は0度なのに最高22度まで上昇したり、それが中旬になるとワイオミング州では平年値を15度下回る氷点下26度を記録。
 欧州では、1月中旬までアルプスに雪が積もらなかった。ところが下旬は突然の寒波襲来で欧州の広い範囲で大雪が降った。モスクワの動物園では暖冬異変でヒグマが冬眠できずに「不眠症」に陥ったとか。

  北京に駐在するオッチャンの友人は、この真冬なのに「今日は半そでにコートだけで外出した」などと短信を寄せてくる。例年ならば零下30度から40度の厳冬となるハルピンも、今年は10度から20度は高めだという。今年の正月帰省した中国人教師もその暖かさに驚いたと話している。

 振り返って、わが国の状況はどうか。まさに昨年の豪雪とは様変わりで、いつもの年ならば間違いなく降るべきところに雪がない。メールで碁を打つオッチャンのところには、全国のメル友から日々刻々と現地の情報が届く。

札幌の雪祭り 札幌のクリスマスを彩る白い雪景色はまったく見受けられず、元旦も積雪は無かったという。2月の雪まつり実行委員会と、世界ノルディック選手権の行われる札幌ドームが雪の奪い合いという現象が続いた。
 やっと作り上げた雪像には雨が降り注ぎ、シートで覆っているとのニュースも流れたりした。雪まつりは、この6日から12日まで行われるが、雪国の最大の祭りが無事に催されることを祈る気持ちだ。

 異変は札幌に限ったものではない。秋田や仙台でも降雪はほんの僅かだし、昨冬は豪雪に閉じ込められた新潟にも「雪がない」との情報が続く。
 メル友からは「いつまで経っても雪の気配がありません」。「降らないで困る業種はスキー場・スキー場に併設する旅館・冬物を大量に仕込んだ衣料店・道路除雪を請け負っている建設業者・小さな事故が減って、仕事が少なくなった自動車板金業者・春先に水不足の心配な米作り農家等」。「逆に困らない業種は、冬は普通なら閉業の新潟県のゴルフ場・一般の住民・住宅業者・車での移動が格段に便利になっている営業等の業者など、悲喜こもごもです」。恩恵を受けている業種より困っている業種の方が深刻のような気がする。やはり自然現象はゆるやかの方がよいですね」。と、長々と生活一般の情報を伝えてくる。まったく同感だ。

 国連は2月2日、地球温暖化の分析・予測第四次評価報告書をまとめ、洪水、暴風雨、雪氷融解など世界中で見られる現象を、「人間活動による二酸化炭素など温室効果ガス増に起因する」と明確に位置づけた。
 古希を前に、世間の生活からちょっとずれてきたオッチャンも、やはり地球温暖化の悪い影響は子孫に残すべからずと、一人悩んでいる。
          


  
札幌雪まつり実行委員会のHPから抜粋  右二つの画像はクリックで拡大表示
故宮博物館雪像 札幌ドーム内
雪像制作過程 彦根城完成模型 故宮博物館 札幌ドーム会場
    


  永久不滅の談合 収賄

 「悪貨は良貨を駆逐する」とは、誰の言葉だったか。いつになっても、とにかく悪事の種というものは、尽きないものであるなぁ。大手ゼネコンは2005年末、建設業界に付き物とされていた談合から完全に手を引くと、決別宣言を出したばかりだ。
 法令順守を徹底させるための部署を新設し、談合担当者を異動させるなどして体制を整えたはずであった。しかるに何と言うことか。そんなものは表面的なもので、その陰でひそかに談合は行われていたのだ。名古屋市発注の地下鉄工事では、大手ゼネコン「大林組」「鹿島」「清水建設」の3社が名古屋地検特捜部の強制捜索を受けた。

 実態は大林組の元顧問が中心となって受注調整を行っていたらしいが、これ幸いと他の大手ゼネコンや準大手などが加わった業界総ぐるみの談合が実施されていた、と見て間違いない。談合の手口も巧妙なものだ。3社から6社で一つの共同企業体(JV)を作り、あらかじめ落札を定めておいた一つのJVのみが予定価格の95%以内で札を入れ、他のJVは全て95%以上で応札していたわけだ。これなら、確実に高値で受注できるというものである。

 この95パーセントを基準とするルールは東海地方に共通で「落札率が高すぎると談合を疑われるため、考えだされた」と言われる。落札企業は95パーセント未満で札を入れるものの、利益を確保するため、すべて90パーセント以上の高値で落としていた。
 さらには名古屋の高速道路工事でも、落札するJVが事前に決まっていたことが判明した。大林組広報室は事件が明るみにでても、「名古屋市の地下鉄工事を含め、一切の談合行為は行っていない」とコメントしている。このような対応では談合の改善は、一朝一夕には出来るものではない。業界の根深い談合体質を徹底的に破壊するには、より厳しい罰則の適用しか手段がないかも知れない。まことに嘆かわしいものである。

  知事の汚職を生んだ背景

  福島から和歌山、宮崎県へと、3県の知事が相次いで汚職にまみれ辞職するという事態が続いた。知事は国会議員などより遥かに大きな力を持つ存在である。一国一城の主、いわば大統領並みの権限を有する。従って、国会議員まで務めた者が知事に転向することが多い。それだけうま味があるのだろう。

 代表的なのが参議院議員5期、その間に参院議長まで務めた土屋義彦氏の埼玉県知事への転向である。結局は娘の不始末から辞職することになった。土屋氏は在職中に「小が大を呑む」=埼玉独立論=という書物を出版し、全国の自治体にセンセーショナルな旋風を巻き起こした。悪くとれば、さらに甘い汁を吸おうというものだろう。
 この知事の権限の大きさが、各地の知事の汚職・収賄を生む土壌となっているのは90%間違いないところだ。まして、建設業界などは絶えず知事の懐に飛び込むべく策略を練っている。絶大なる権限を持つ者が10数年も居座っておれば、その力を利用しようとする者も現れる。一度その甘い蜂蜜を食べたなら止められない。そして自ら悪の泥沼へと落ちていく。
 
 忠告する者はいなくなり、周りはイエスマンばかりになる。専横ぶりは益々強まる。会社のワンマン経営者と同じ道を歩み、遂には「逮捕」という結末に陥る。これが全てに共通する道筋と思えるのだが。逮捕される前に、身の潔白を懸命に弁明する姿もみな似たようなものだ。しかし最後の抵抗も空しく、取調べの続く中で収賄を認めることとなる。賢明なる読者の皆様、ゆめゆめ、知事などになる夢などは見るべからず。

  捏造食品 不二家 

  大手菓子メーカー不二家が、消費期限を過ぎていた原材料を使った洋菓子を出荷していた問題が発覚した。事件は内部告発から拡大した。判明した時点で、同社幹部は「雪印の二の舞になるかも知れぬ」との危機感を持ったと報道されている。しかし事態をオープンにすることなく、隠蔽する方策を選択してしまった。隠せば悪い方向にいくことと知りながら、隠蔽したのは何故だろうか。幹部の責任はもちろんだが、同族会社・不二家の体質に大きな問題点があったものと予測される。

  一つ隠すと、つぎつぎに隠したことが暴かれるものだ。チョコレートにガの幼虫が入っていたという報告もでた。かくして、ペコちゃんの不二家も当初予測したとおり、「雪印」の後を追うことになる。
  このあとの新聞各紙では、様々な会社、業種からの「お詫び広告」が毎日数件も掲載される。「お詫びとお願い」「お詫びと回収のお知らせ」「自主回収のお知らせ」のラッシュとなった。危機感を察した企業からの広告が殺到した。思わぬ広告収入で、さぞかし新聞社は潤ったことだろうと思う。


   捏造  納豆ダイエット

  オッチャンは毎日の散歩のかたわら、あるスーパーに寄った。そしたら納豆売り場の棚の商品が極端に少ない。よく見ると「納豆の入荷が少ない」ことのお詫びの書き物である。へー、そんなこともあるのかと思ったら、21日の新聞に納豆騒動の顚末記が掲載されていた。7日夜の関西テレビ(フジテレビ)系列で放映した番組「発掘 ! あるある大辞典Ⅱ」で、「朝夕に1パックずつ納豆を食べると効果的」とダイエット効果を取り上げたことが分った。実験データを捏造したデタラメ番組である。
 
  番組を見て「納豆ダイエット」を続けていた東京都江東区の主婦(59)は「2週間で効果が出るという説明だったので、頑張って食べていた」という。手ごろな値段だったのでやりやすかった面もある。「この番組では、前のダイエットの食品を忘れるころに別の食品のダイエットが紹介される。以前に放映されたチョコレートも寒天も試してみたがやせず、他の方法までもうそに見えてくる」と不信を募らせる。
 オッチャンには、こんな単純なテレビ番組につられて納豆の買占めに走る女性たちの感覚は全く理解できない。不思議な心理である。しかし、これ以上述べると某大臣と同一視されるから止めよう。

  オッチャンも納豆は毎日食べる。しかし、それでダイエット効果があるとは信じたこともない。この番組は見ていないが、かりに見ても恐らく信じることはないだろう。新聞などの広告を見て、さして感じない人がテレビだと簡単に信用してしまう。こんなにもた易く騙されるのか、はたまた信用するのか。映像の与える影響の大きさには、改めて感じ入った次第だ。

  同じように健康や食品を取り上げる番組はたくさんある。だがオッチャンは、まずまともに見たことはない。どこのテレビ局にも顔をだす、したり顔の司会者の仰ることなど信じることは出来ない。彼らは出来上がった番組(捏造?)に視聴者(消費者)を巻き込むマネキンに過ぎない。そう考えるのは、あまりにも冷ややか過ぎるというものか。 
 こんな事件のあとでも、ダイエット番組や広告は後を絶たない模様である。視聴率目当ての騙し屋や詐欺師は、あちこちにいる。先日も街中で通りかかる老人を特設の家屋に誘導し、高いものを売りつけるグループを見かけた。

 皆様、ゆめゆめ騙されるなかれ、と祈る。                             (C.W)

 
     付 録