初夏の欧州旅行(ドイツ編)Part1・・・・(ドイツとスイス編のPart1~Part4で構成する)


 2008年の6月初旬に、欧州の南ドイツとスイスアルプス8日のツアー旅行に参加した。ツアーに参加されたメンバーも10数名の少人数で、余裕もあった。
 我々も夫婦で参加したわけであるが、今回は熟年夫婦の組が3組と新婚さん組が3組の丁度バランスの取れた構成だった。

 今度のたびの目的は、中世のお城を見ることと、そればかりでは面白くないので南ドイツ(バイエルン地方)からスイスのアルプスを登山列車で登ってみたいと欲を出したツアーである。丁度都合よくそのようなツアーがN社で組まれていたので、これに参加をした。

 初日は、成田空港からスイス航空でチューリッヒ空港まで、ここでトランジェント待ち(3時間ほど)欧州内を結ぶ近距離のスイス航空でドイツのフランクフルト空港に到着。日本を飛び立って約12時間余り、高齢者の部類に入る我々にはさすがにきつい飛行であった。初日のホテルはフランクフルトの空港から40分ほど、午後9時ごろに到着。6月はこの時間でもまだ明るい、宿泊先は郊外の落ち着いた感じのホテルだった。長時間の飛行でクタクタに疲れていたので、ベットにばたんキューである。

 2日目、フランクフルから約1時間少し、ライン河クルーズをするためリューデスハイムにバスで移動。ドイツでの最初の旅が始まった。リューデスハイムはライン河沿いの静かな町で、ラインクルーズの観光船に乗船する前に、街中を少し散策した。”つぐみ横丁”といわれる細い路地の登り坂を歩いていくと、両側にお土産店やワインの居酒屋などが沢山並んでいる。朝方まだお店が開店準備中の静かな横丁を歩いていると、鳥の鳴き声がピヨピロとよく聞こえる。細い路地のお店の看板は、日本のようなゴテゴテと文字や電飾が施されていない、お店の上部に「居酒屋」や「レストラン」「お土産店」を示す図形化した小さな看板が出ているだけである。この時期は白アスパラが美味しく、この横丁のお店でもメニューに掲載されていた。
 この”つぐみ横丁”を登ったところを右に折れてしばらく歩くと、有名なドイツワインの酒蔵がある。ワインの試飲させてくれる酒蔵なので、旅行客の日本人も沢山訪れる。経営者は日本人の方で、ドイツワインについて色々説明をしてくれた。

つぐみ横丁(1) つぐみ横丁(2) 屋根の上シンボルの”つぐみ”
ドイツの有名な白アスパラ ワインの醸造所(試飲) 各種ワインを試飲する

ワイン好きの人にはたまらないかもしれないが、この地方では貴腐ワイン(すごく甘いワイン)が有名だそうだ。このお店では各種の試飲したワインの中から好きな物を購入する事が出来る。ただ、EU圏内ではテロ防止のためなのか、液体の機内持ち込みは制限されている。免税店の証明が無ければ機内持ち込みが出来ないようだ。ここの店ではドイツ産ワインを既にまとめて日本に輸出して保管倉庫に預けてあり、注文があるとそこから商品を配送する仕組みになっているようである。

 ようやく、リューデスハイムからライン河下りの乗船時間となったので、観光船に乗り込む。このライン河をザンクト・ゴアまで2時間ほど下り、ザンクト・ゴアの河岸で下船。ところで、ライン河観光船の乗船で注意しないといけない場合がある。それは、ライン河観光の景観を保つため両岸に掛かる橋が少ないことである。もし間違って観光船から反対側の船着場に降りてしまうと、対岸に渡るには延々と車で走らないと対岸へ渡る橋がないのである。

ライン河の古城(1) 頂の砦 古城の跡
ライン河沿いの古い教会 中州の古城 通行税を取る昔の砦

 途中にはライン河沿いに多くの中世の古城が見られる。このライン河下りはゆったりと、両岸の古城や城壁、ライン河沿いに走る列車を見たり、ワイン作りに適した地域で、山すそまで広がるぶどう畑を眺めたりと、観光スポットでは名所旧跡のガイドアナウンスが各国語で聞ける。ドイツ語、英語、日本語、さらに中国語、韓国語のアナウンスも行われ、最近アジアからの旅行客が増えている事が伺えた。乗船客の中に中国の旅行客も多かったが、特に目に付いたのはインドの団体が大勢観光客として乗船していたことである。いままで、アジアの旅行客といえば日本人が定番だったが、最近は様変わりしているようである。
 ライン河下りの最後の方では有名な「ローレライ」の伝説がある突き出た岩の傍を通過する。またライン河には道路標識の様な看板が表示され「554」標識がローレライの場所を示している。「ローレライの歌」で有名なこの当たりは川幅が一番狭く、中世の昔はよく船が難破したそうだ。この場所では「なじかはしいらねど・・・」と言う聞き覚えのある「ローレライの歌」が船上で流される。

出発点のリューデスハイム地図 ライン河を行く観光船から 河に突き出たローレライの岩

 ライン河の河下りを堪能した後は、迎えのバスで今来た方向に逆戻りしてハイデルベルグ(約2時間ほど)へ向かう。
 ハイデルベルグといえば、ドイツでは学生の町で有名である。街中に入ると緑も多く静かな町である。たまたまこの時期はサッカーのEURO2008が開かれていて、ドイツのチームが出場するので、自国チームを応援するドイツの小旗を車の窓の両側に取り付け、街中を走っている車を多く見た。
 街中のレストランで昼食、鱒料理とザーククラフト(キャベツの酢漬)とジャガイモである。
結構、料理もボリュームがあるので、これに地元ビールでも飲めば、お腹一杯である。

レストランで食べた鱒料理 城から見たハイデルベルグ市内 ハイデルベルグ城内
ハイデルベルグ城内の空堀 ハイデルベルグ城の門にある彫像 城の幸福の門(2)

ハイデルベルグ城のムービー(ここをクリック:Windows Mediaplayerが必要です)

 昼食後、ハイデルベルグ市内観光で、目的のハイデルベルグ城に出かけた。この中世のお城は市内を見渡す高台にあって、眼下にネッカー河を挟んでハイデルベルグの旧市街と新市街の全景を見ることが出来る。町の建物の多くの屋根はオレンジがかった茶色の屋根瓦に統一されていて素敵である。城の周りや公園、城壁を囲む空堀、幸福の門などあるが、お城の中にも入ることが出来た。場内には中世に作られた巨大なワイン用の酒蔵があってその周囲を見学する事も出来る。場内にはそのほか資料館・博物館なども併設されており興味のある方は見学も出来る。(ツアー客には時間の制限もありこれは少し難しいかも)
 場内の見学途中で、にわか雨に遭遇した。観光客はワイワイ言いながら雨を避けて建物のここかしこへと避難する。激しい雷雨に襲われたが10分ほどすれば通り過ぎて、晴天を迎える。ハイデルベルグ城を後に、市内のアルテブリュッケ(古橋)に向かう。丁度この時期、橋は補修工事中で周りの景色を写真撮影するには適さない。橋の下のネッカー河沿いの広場でイベントを行っていた。色んな催しが行われていたが、この橋の近くでは、子ども達の柔道の演技が披露されていた。ドイツで日本の柔道を見るとは奇異な感じもするが、欧州では柔道も日常的なスポーツなんだろうと思った。

 ついで、少し歩いて街のマルクト広場に向かう。この広場は中世の景観を保った広場で、市庁舎や聖霊教会、沢山の商店が道沿いに並んでいる。広場の真ん中には噴水もあり、また中世都市の名残がある罪人をさらし者にする「さらし台」もあった。中世にはこの広場で宗教裁判で女性を魔女して処刑にしたとの説明があった。

マイン河岸で行われる催し ハイデルベルグを流れるマイン川 マルクト広場の商店街
歴史のあるリッターホテル マルクト広場 ハイデルベルグ城

 2日目のホテルは、ハイデルベルグ市内のホテルに宿泊。夕方6時30頃ホテルにチェックイン。丁度サッカーのヨーロッパ選手権開催中で当日はドイツが出場する日であった。サッカーの試合は夜から始まるため、既に夕方からホテル傍の広場では、観戦客が広場に設営された大型テレビの前で、早くもビールを飲んで気勢を上げている。
 夜中には、ホテルの外が騒がしく、ドイツがサッカーの対戦相手に勝ってそれを祝い、車のクラクションと歓声を上げた若者達が街中を走り回っていた。

(投稿:TOMY)